新韓金融、次期会長選出手続き始動

晋玉童会長の続投、成果とリスクが交錯
日付: 2025年10月07日 09時30分

 新韓金融グループが、来年3月に任期満了を迎える会長職の選任手続きに正式着手した。
グループ会長候補推薦委員会(会推委)が9月26日に始動し、次期リーダーシップ体制をめぐる議論が本格化している。
今回の会推委の始動は、2022年末の次期会長選任時より約2カ月早いものだ。金融業界では「内外リスクを管理し、早期に安定性を確保する狙い」との見方が出ている。

 「過去最高の業績」と「内部統制リスク」

最大の関心は、現職・晋玉童会長の進退だ。晋会長は年間純利益3兆ウォン台の達成、安定した財務構造の確立、革新企業への投資や顧客中心の金融サービス拡大などの実績で高い評価を得ている。また、新韓育ちの内部出身者として、グループの安定性や政策の整合性を維持している点も強みとされる。
一方で、リスクファクターがあることも否定できない。23年10月、新韓投資証券で発生した1300億ウォン規模のETF先物取引損失事件により、内部統制の不備をめぐる責任論が浮上した。さらに、新韓銀行が資本の欠損状態にあった特定企業に投資したとの疑惑もあった。手続き上は正規のベンチャー投資だったものの、レピュテーションリスク(評判リスク)を招いたといえる。

 市場の信頼と在日同胞株主の意向

会長選任の過程においては、新韓金融の「原点」ともいえる在日同胞株主の意向も無視できない。
新韓金融(当時の新韓銀行)は1982年、在日韓国人実業家の出資によって設立された経緯があり、現在も在日同胞らは主要株主として会長選任に一定の発言力を持つ。
結局、次期会長の選任において最も重要な基準は、顧客と株主から信頼を得られる経営能力と内部統制の力量だといえる。
今後、会推委は外部の専門機関を通じて候補推薦を受け付ける。委員長直属の事務局を新設し、候補者の検証や対外的な広報を専任させるなど、手続きの透明性と独立性を強化した。
次期会長候補は年末におおよその輪郭が現れる見通しだ。その後、理事会の審議を経て、来年3月の定期株主総会で正式決定される予定である。


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