民団栃木県本部(禹春彦団長)が宇都宮オリオンスクエアで4月26日に開催した「とちぎ韓流フェスティバル」は、約5000人の来場者を集め盛況となった。会場には、地域の特産品を扱った屋台も多く並んだ点が特徴だった。今回は、地域に根づいてキムチ・焼き肉などの普及に貢献する企業を取り上げたい。
今年4月のとちぎ韓流フェスで「焼き肉スンチャン」の崔二順さんがキムチ作りの講師を務めた
ハレルヤフーズ(根本桃子代表)が営む「焼き肉スンチャン」の崔二順さんが講師を務めた「キムチ作り講座」は、先着20人限定で韓流フェスの開会式後に行われた。栃木県産野菜を韓国産唐辛子使用のヤンニョムに漬けていく様子をスクリーンに映し出しながら、崔さんによる解説も加わり、参加者たちはキムチ作りの奥深い世界へと引き込まれた。
ハレルヤフーズの本場手作りのキムチは、1日に開催された「第23回日韓親善少年柔道交流大会」に参加した関係者にも昼食の際に振る舞われ、好評を博した。今年で創業42年となるハレルヤフーズの強みは、地域に根づいた信頼と貢献によるところが大きい。
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宇都宮市内のオリオン通りから国道を1本またいだユニオン通り沿いに、韓国ドーナツ&カフェ専門店「BONTEMPS」の宇都宮店がある。今年4月5日にオープンしたばかりだ。
ワンズトライン(山内仁代表)が営む「BONTEMPS」では、韓国の伝統菓子”クァベギ”を現代風にアレンジしたドーナツのほか、韓国で人気のドリンクなどを味わうことができる。
「BONTEMPS」宇都宮店の金山洋子店長は、「店舗を訪れてくれるお客さまは、流行りものが好きというよりも、コアなニーズを持つ方々が店を大事にしてくれていると感じる。根づいてからが強いこの地域の特性を住民として肌感覚で知っているため、少しずつ認知度が上がってきていることを喜んでいる」と話した。
また金山店長は、「在日韓国人のお客さまが来店してくれることもある。店舗で提供しているドリンクの〝ミスカル〟(穀物の粉末とミルクを混ぜ合わせたもの)を見て、『これは韓国でいま流行しているもの』と教えてくれたことがあった」としている。
韓国ドーナツ&カフェ専門店「BONTEMPS(ボンタン)」宇都宮店の金山洋子店長。地域の在日同胞も店舗を訪れるという