在日韓国人記念館と私
在日韓国人記念館は2022年7月7日(新韓銀行創立日、40周年の日)に開館した。この記念館は在日韓国人の歴史、そして祖国の経済、文化発展のために一世世代がいかに大きな役割を果たしたか、学べる場である。
朝の静かな時間にゆっくりと展示を見て回るのが私は好きだ。祖父や他の一世のハラボジ、ハルモニたちの息遣いを感じる。シーンとした空間なのに展示物、写真からいろんな感情が渦を巻いて飛び出し、私を巻き込む。特に落ち込んで心弱くなっている時、私の頭、肩を揉みほぐし勇気を与えてくれる。
幸運なことに、私は記念館に展示されている多くの場面に居合わせることができた。82年新韓銀行創立、88オリンピックの開会式、大阪鶴見緑地公園の花と緑の博覧会、四天王寺ワッソ、韓日共催のワールドカップ。
恥ずかしいことに、在日1世が「漢江の奇跡」と言われる韓国経済発展に大きく寄与したことを深く知ったのは、韓国語を学びに韓日ワールドカップで真っ赤なエネルギーが迸っていたソウルにやってきた時のことだった。
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在日韓国人記念館でインタビューをしている私(「ヒステリング」編の動画キャプチャー) |
本国では当然知っていると思っていたが
故郷の道を舗装したり、済州島でミカン栽培技術の指導をしたり、学校を作ったり、村に電気を通したり、会社を作り、工場を作ったり――
祖国の発展のために一世世代は日本と韓国を行ったり来たりした。私は本国の人たちは当然そのことを知っているのだと思っていたが、実際は私が期待していたよりも本国では知られていなかった。
ある日、私は祖父からもらった一枚の白黒写真を手に取った。朴正熙大統領を囲んで誇らしげな様子の若き頃の祖父李熙健と他の一世の仲間達。祖国の経済発展に貢献しようという強い意志を帯びた顔、顔。私はその写真の中の人たちにうったえた。
「本国の人達はあなたがたの業績を知らないし、知っていても無視しているのに、何のためにあなたたちは祖国のためにこれだけのことをされてきたのですか??」