サムスン電子は7月28日、8年で22兆7648億ウォン(約2兆4370億円)規模の半導体受託生産(ファウンドリー)の受注契約を結んだと発表した。発注先は非開示だったが、米電気自動車(EV)大手テスラであることが明らかになった。同社のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が同日、X(旧ツイッター)で発表した。
サムスンは米テキサス州に2026年の稼働を目指して新工場を建設している。サムスンの半導体部門は業績が低迷しており、大型受注で事業立て直しにつながるか注目される。
サムスンはファウンドリー事業で演算用ロジック半導体を製造し、人工知能(AI)を扱うテック企業などに納入する。今回の受注は24年12月期の連結売上高の7・6%に相当する規模で、ファウンドリーの受注額としては過去最大とみられる。契約は25年7月24日から33年12月31日まで。
サムスンの4~6月期の連結決算(速報値)によると、本業のもうけを示す営業利益は4兆6000億ウォン(約4880億円)で前年比55・9%減だった。四半期の営業利益としては23年10~12月期の2兆8247億ウォン以来の低水準で、4~6月期では23年の6685億ウォン以来、2年ぶりの低水準となった。
4~6月期売上高は前年同期比0・1%減の74兆ウォンで、前期比でも6・5%減少した。主力の半導体事業を担うデバイスソリューション(DS)部門の業績不振が続き、同部門の営業利益は1兆ウォンに満たないと推定される。半導体の業績不振の主な要因として、ファウンドリーの赤字が挙げられている。
関係者は「半導体の製造工場で歩留まり率(良品率)が改善したため、テスラからの受注が実現したのではないか」とみている。