新韓金融グループ(晋玉童会長)は、第2四半期の業績とともに大規模な株主還元策を発表し、「株主親和経営第1位」の金融持株会社を目指す確固たる姿勢を明らかにした。単に収益性の高い企業を目指すのではなく、株主と利益を共有し、企業価値をともに育てていくグループ像を構築する考えだ。
7月25日、新韓金融の理事会は、8000億ウォン規模の自社株取得と消却計画を決議した。このうち6000億ウォン分は2025年末までに、2000億ウォン分は26年初めまでに消却される予定だ。これにより、発行済み株式数が減少し、1株当たりの価値が向上することで、株主に対する実質的な利益還元が期待される。だが、大規模な自社株消却にもかかわらず、新韓金融の財務健全性は依然として業界最高水準にある。CET1(普通株式資本)比率13・59%、BIS比率16・20%といった主要資本比率がそれを示しており、同社は積極的な株主還元を実行できる財務体質を備えている。
新韓金融の自信は、堅調な業績にも裏づけられている。25年上半期の累計純利益は3兆374億ウォンで、前年同期比10・6%増加した。注目すべきは、その利益構造だ。利子収益は前年同期比1・4%の増加にとどまったが、非利子収益は2兆2044億ウォン(前年同期比+4・2%)と高水準を記録し、第2四半期には1兆2650億ウォンで前年同期比34・7%の急増となった。
これは、証券・IB(投資銀行)など資本市場を基盤とした収益拡大であり、金利の変動に敏感な利子依存構造から脱却し、収益ポートフォリオを多様化したことを示している。
新韓金融の動きは、株主価値の向上にとどまらない。「ブリングアップ(低信用者の信用改善)」「ファインディングアップ(隠れた資産の発掘)」「ヘルプアップ(高金利ローンの金利引き下げ)」など、共生型金融プログラムを積極的に展開し、社会的責任と持続可能性(ESG)に基づく経営を実践している。これにより、短期的な成果の追求にとどまらず、顧客からの信頼を確保し、健全な金融生態系の構築を目指す姿勢がうかがえる。
質的成長を通じた利益創出と、積極的な株主還元、社会との共存成長。社員や株主、そして社会を共に成長させるという新韓金融の想いが、韓国金融業界の新たなスタンダードとなるのか注目されている。
(ソウル=李民晧)