連日の猛暑が京都の街を覆う今年の夏、わかさスタジアム京都で開催された第107回全国高等学校野球選手権大会(夏の甲子園)の京都大会決勝は、特別な熱気をもたらした。京都国際高校が鳥羽高校を9回裏、逆転で破り(4対3)、2年連続で甲子園出場を決めた。その瞬間、スタンドの生徒たちは歓喜に沸いた▼京都国際高校は、1947年に在日韓国人が設立した「京都朝鮮中学」を前身とする民族学校だ。野球部は1999年に創設されたが、全国的な注目を集めるようになったのは最近のことだ。2021年に初出場した甲子園でベスト4に進出し、昨年は東京の強豪・関東第一高校を延長戦で破り、初優勝を果たした。民族学校をルーツとする京都国際が、日本の高校野球の頂点に立った快挙に在日同胞たちは大きな感動を受け誇りに思った▼1990年代に生徒数の減少に直面し、2003年に日本の学校として認可され、現在の形となった。現在、約160人の生徒のうち7割が日本人だが、校歌は今なお、韓国語で歌われる▼「東海の海 渡りし 大和の地は/偉大な我らが祖先 古の夢の場所」と始まるその歌詞は、在日韓国人のルーツと不屈の精神を今に伝える。昨年の決勝戦後、選手たちがグラウンドの中央で校歌を斉唱する姿は、過去と現在をつなぐ感動的な光景だった▼5日に開幕する甲子園で、連覇という高い壁に挑む京都国際の姿に期待が膨らむ。猛暑の中でも、彼らの情熱は私たちの心を熱くするだろう。