韓国教育院が各地でイベント

スピーチ大会や文化体験など
日付: 2025年07月23日 10時10分

 夏休みシーズンが到来し、各地で韓国教育院が主催するイベントが開かれている。今回は先週、関東圏で行われたイベントを取材、在日同胞向けの各種講演や文化体験、駐日韓国大使館が主催したスピーチ大会(全国大会)などのもようを伝える。

次世代をつなぐ懸け橋に

 神奈川韓国綜合教育院(朴宣映院長)は横浜市の「KOREA GLOBAL ACADEMY」(金時鐘理事長)で17日、「Korea  Culture Week(KCW)春夏」の第1弾イベントとして韓国の伝統打楽器「小鼓(ソゴ)」を題材とした国立釜山国楽院講師による体験型ワークショップを開催、約40人が参加した。

■神奈川で「KCW春夏」

「KCW春夏」とは、韓国と日本の文化交流を深め、相互理解の促進を目的とした文化体験イベント。韓国の伝統文化から現代カルチャーまで幅広く紹介するもので、今回の小鼓体験教室のほか、様々な催しが予定されている。すべてのイベントが無料で誰でも参加が可能となっており、韓国文化に関心を持つ地域住民や夏休みに入った学生たちにとり貴重な機会となっている。
今月28・31日には、ハングル体験学習から韓国料理体験、K―POPダンス教室や数学をテーマにした講演まで、多彩な教室が準備されている。

■埼玉で文化比較の講座

埼玉韓国教育院(崔守亨院長)はさいたま市の民団埼玉県本部(白守義団長)で18日、「韓日ライフストーリー~文化を旅する」と題した在日同胞及び日本人向けの文化講座を開催、約20人が参加した。今回のテーマは、「韓国と日本の昔話比較」「韓国特有の昔話」。同院の金成炫行政員が講師を務めた。
金行政員は講義を通じ、韓日で共通の「七夕」が中国の古典などの影響を受けながらも、各国で加えられた特色があることを説明。
また、勧善懲悪がテーマとされる「フンブとノルブ」と「花咲かじいさん」、「沈清伝」と「浦島太郎」のような両国の昔話もメインストーリーは共通ながら細部で異なる設定があり、地域ごとの特色を伝えているとした。また、半島独自の建国神話である「檀君神話」についての説明もあった。
次回「韓日ライフストーリー」講座は8月22日、夏に関する行事をテーマに開講される予定。

■千葉でスピーチ大会

駐日本国大韓民国大使館は、千葉韓国教育院(金熙靜院長)と駐日韓国教育院長協議会主管の「第31回在日本韓国人学生韓国語スピーチ大会」を千葉市生涯学習センターで開催、会場に約200人が集まった。
はじめに、国民儀礼・国歌斉唱の後、金院長が主催者あいさつを行った。また、金壯炫・駐日韓国大使館特命全権大使代理の祝辞を梁鎬錫首席教育官が代読、徐東湖・公益財団法人「韓国教育財団」理事長の祝辞を崔明管理部長が代読した。
祝辞が読み上げられた後で、スピーチ大会の審査委員長を務める全相律・神田外語大学専任講師から審査の基準などについて説明があった。
大会には、全国から集まった在日学生たちが参加。(1)日本学校・初等部門(2)日本学校・中等部門(高校生も含む)(3)韓国学校・初等部門(4)韓国学校・中等部門(今回は高校生のみ)の4部門に分かれて21人がしのぎを削った。前もって各地で行われた予選を勝ち抜いた生徒たちが本大会に臨んでおり、発表内容はいずれも高いレベルとなった。
在日として韓国と日本の間に生きる自身のアイデンティティーについて、両国の懸け橋になりたいという夢や目標を語る生徒が多かった。学年が上がるほど、参加者たちが抱える課題や各地での部活動などの貢献、家族や恩人への感謝を伝える発表が目立った。
審査委員長による講評も印象的だった。「今回ほど審査を担当するのが難しかったことはない。全ての発表者が韓国語の発音・会話能力に何ら問題がなかった。表現力も豊かで、審査員一同で内容に基づく協議により一応の結果を出したが、もし審査員が変われば順位も違ったかもしれない。そのような高レベルの大会で審査員を務めさせてもらったことに感謝したい」と話した。
日本学校部門の大賞には、光が丘春の風小学校4年生のイム・ジユさんが輝き、韓国学校部門の大賞には東京韓国学校初等部6年生のハン・ジウさんが選ばれた。

19日、千葉市生涯学習センターでの集合写真。大会に参加した全ての関係者から笑みがこぼれた


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