編集余話

日付: 2025年07月23日 09時47分

 AI時代が到来し、日常生活や産業に革命をもたらしている。生成AIは文章作成やデータ分析を効率化し、企業では業務自動化が進む。韓国では51%の国民がAIを利用し、日本でも企業での利用は46・8%に達する▼だが両国ともに課題が残る。韓国は、AI利用の恩恵が低所得層や高齢者など社会的弱者に届かず、利用率が20%と低いことだ(韓国知能情報社会情報院)。一方、日本では生成AIの個人利用率はわずか9・1%(総務省、2024年)で、中国(56・3%)や米国(46・3%)に大きく後れを取る。この差は、デジタルリテラシーの不足や「生活に必要ない」「興味がない」といった関心の低さに起因するものとみられる▼両国共通の課題は「AIディバイド」の拡大だ。韓国では、大企業と中小企業のAI活用能力の差が生産性格差を広げる。個人間ではAI利用者と非利用者間で情報取得や教育格差が生じる。またAIを扱える人は高スキル職に就きやすく、リテラシーの低い人は雇用の不安定化や賃金低下を招く可能性も高い▼投資面でも、米中の巨額投資に対し、韓日両国は見劣りする。韓国は「AI三大国」を目指し、日本もDXを加速。技術格差を埋め、AIの恩恵を均等に享受できる社会構築が求められる。両国とも人材育成と企業文化の変革が必要だ。韓国は2000年代のIT教育成功例を参考に、AI教育の均等化を急ぐべきだ。日本も、デジタル庁のDX推進を加速し、投資と教育で「AI中心国」を目指すべきである。


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