筆者は、尊敬する金文洙候補が将校の同期生と中学・高校・ソウル大学の同窓という縁があり、選挙期間中はソウルの自宅に滞在しながら支援活動を続けた。金候補が尊敬を集める理由は、京畿道知事時代にハンセン病村を初訪問、京畿道を清廉度1位の自治体とし、タクシー運転手を務めながら世論を収斂した。議員時代に月給を貧困層支援に使い、24坪の庶民住宅に住む清廉潔白な公職者だった。
今回の大統領選挙で金候補は、当日投票で15%以上も得票、圧勝していた。しかし露骨な不正選挙が行われた事前投票で負けた。このような矛盾した結果は、大数の法則と統計学的にありえない。李在明候補は49%の得票率を示したが、有権者の過半数の得票を得られなかった。金候補は不正選挙にもかかわらず41%の得票率を得た。
一方で、国際公正選挙(NEIA)監視団が韓国の不正選挙について声明を発表、来週中に米議会とトランプ行政府に報告書を提出して記者会見で不正選挙を告発する計画だ。
韓国の不正選挙が国際問題化し、地殻変動が起きる可能性は低くない。ちなみに、国際公正選挙監視団は2019年、ボリビア大統領選挙に派遣され不正選挙報告書を公開すると全国的なデモが発生、モラレス大統領は3週間でメキシコに亡命し、再選挙を行った。韓国でも事前投票の露骨な不正選挙が次々と発覚し、国民は大統領選挙の無効、李在明当選の無効を叫んでいる。
今後、不正選挙打開への時限爆弾の芯に火がつくものと予想される。代表的な不正選挙の事例は(1)事前投票の際に電算操作の水増しにより、あちこちで選挙人数より投票者数が多くなった(2)中国人と左派の二重・重複投票(3)偽造身分証明書による重複投票(4)郵便局で偽造投票用紙の投入と投票箱の交換など。特に李在明にあらかじめ記入した投票用紙が3125票も発覚した。
選挙後に聞こえてくる知人や市民世論を要約すると、「李在明は偽大統領・詐欺大統領だ」「国民を犬・豚扱いした中央選管委に怒りを抑えきれない」「不正選挙を3回以上繰り返した選管委に対して国民が忍耐の限界に達した」などだ。
特に衝撃的な点は、中央選管委に対する国民の怒りが大爆発する可能性が内在している点だ。歴代大統領を亡命・収監・自殺に向かわせた国民の粘り強い反骨精神は、不正選挙と不議を絶対に許さない。刑務所入口と共同墓地の石碑に刻まれた「昨日は俺の番! 明日はお前の番!」との名言が恐ろしい教訓となっている。
前科4犯の李在明が自分の裁判は受けないようにしながら、尹錫悦前大統領の特別検事捜査に420億ウォンの血税を浪費する。また、2億ウォンの常習賭博とわいせつ書き込みで罰金刑を受けた長男の結婚式を非公開で行うとしながらも、与党議員を全員招待、招待状と入金口座がSNSに出回った。
韓米日の三角安保を基盤にすると述べたが、総理や国情院長に親中・反米・従北の人物を抜擢した。国民が李在明当選の偽善と誤魔化しに気づき、皆が背を向けている。特に、李在明が京畿道知事時代に100億ウォンの対北不法送金で当選前に起訴された5件の裁判期日が無期限延期された。しかし、64~93%の国民が李在明当選の際に進行中だった裁判は引き続き受けなければならないと答えている。
一方で、李在明は補欠選挙で選出された前任大統領の後任だから2年後に再選挙を行わなければならないというのが憲法学者の解釈だ。憲法第68条2項に「大統領が空席になったとき、または大統領当選者が死亡、判決その他の事由でその資格を喪失したときは、60日以内に後任者を選挙で選出する」と明示されている。
憲法68条2項が「後任者」と明示しているので、李在明当選者は前任の尹錫悦大統領の残りの任期、2年が正式任期であることが分かる。今回の大統領選挙は明らかに補欠選挙だった。憲法第68条2項の核心は「後任者」という表現だ。後任者とは前任者の職を継承する者であり、新たな任期が与えられた存在ではない。また、憲法第69条は大統領就任式の際、「私は憲法を遵守する」と宣言するところから始まる。補欠選挙で当選した大統領が新たに5年の任期を始めるというのは、憲法第68条2項と第69条に違反する犯法行為だ。憲法が明示した「後任者」は前任者の空席に責任を負えという意味だ。大韓民国は、憲法の上にいかなる権力も存在することはできない。
高永喆(コ・ヨンチョル)
拓殖大学客員教授、韓国統一振興院専任教授、元国防省分析官。著書に『国家情報戦略』(佐藤優共著、講談社)、『金正恩が脱北する日』(扶桑社)など。