韓国語能力試験(TOPIK)の普及と裾野拡大を目的とした交流の場である「TOPIKフォーラム」が14日、立教大学で開かれた。同フォーラムはこれまで学習者、教育者、出版社、YouTuber、企業人など、TOPIKに関わる多様なステークホルダーが集まり、情報共有やネットワーキングを通じて韓国語教育の未来を探ってきた。今回は韓国語教育の現場の声に焦点を当てたものとなった。
韓国教育財団は14日(土)、立教大学池袋キャンパスで「第4回韓国語能力試験(TOPIK)フォーラム」を開催した。韓国語学習に関わる学校、機関を中心にオフ・オンラインあわせて120人が参加した。同イベントは、日本での韓国語能力試験の普及と裾野拡大を目的とした交流の場で4回目となった。
過去のテーマは第1回「企業と教育現場での韓国語能力試験(TOPIK)の採択」(2022年)、第2回「TOPIKの持続可能な発展に向けた多言語TESTとの比較」(23年)、第3回「TOPIKで楽しむKコンテンツ、Kコンテンツで伸ばすTOPIK」(24年)。
今回のフォーラムのテーマは「多様化する教育現場の韓国語学習動向とTOPIKの連携」。韓国教育財団・徐東湖理事長の挨拶(崔明管理部長が代読)の後、(1)教育機関における韓国語教育とTOPIKの連携(2)学習者主体の韓国語学習とその実践(3)質疑応答及び総合討論と三つのセッションが進められた。
セッション1は「教育機関における韓国語教育とTOPIKの連携」をテーマに李安九・岡山大学准教授、新井保裕・文京学院大学准教授、崔守亨・埼玉韓国教育院院長、根岸耕二・埼玉県立岩槻高等学校韓国語講師が発表。セッション2は「学習者主体の韓国語学習とその実践」をテーマに宮郷和也・千葉県立土気高等学校教諭、趙俊泳・福井県日韓青年コミュニティ代表、都在承・UnidocsInc〓副社長、崔源吉アイネオ代表取締役社長が発表した。
続いて今回はフォーラムで初めてとなる「高校生と大学生の学習体験」が渡邊里奈・近畿大学国際学部4年生、西川ゆず希・関東国際高校3年生(外国語科韓国語コース)からそれぞれの韓国語学習体験が語られた。質疑応答の後、梁鎬〓・韓国大使館首席教育官/韓国教育財団常務理事が総括評価を行った。
TOPIKフォーラムは、単なる韓国語試験関連のディスカッションの枠を超え、韓国語教育の新たな可能性を探るプラットフォームとなっている。登壇者の発表は、若年齢層向けの試験の新設や学習後の出口戦略などTOPIK受験者拡大への提言にとどまらず、高校・大学の韓国語教育の現状から最新の教育トレンドやAIなどのテクノロジーを活用した学習法に触れ、専門家や学習者との交流や語学コミュニティー作りに関してまで多岐にわたった。韓国語教育や学習に携わる人にとって知見を得る貴重な機会となった。