6月3日の韓国大統領選挙は、韓国の未来を決める分水嶺となる。最大野党「共に民主党」は27日、李在明代表を公認候補に選出した。現在、大統領選挙についての調査では李代表の当選を予想する人が多数を占めている▼李氏は熱狂的な支持層を持つが、一方で反感を持つ人も多く、選挙戦を巧みに戦えば保守に逆転のチャンスはあるはずだ。だが、与党「国民の力」は候補者選出で混迷を極めている。韓東勲前党代表、金文洙労働部長官、洪準杓大邱市長、安哲秀議員ら複数の候補が名乗りを上げ、党内は分裂状態だ。このままでは保守票が分散し、李在明氏の優位は揺るがない▼5月3日の党大会までに、迅速かつ透明な予備選を行い候補を一本化することが急務といえる。韓東勲氏は中道保守層に人気だが、尹支持層から「裏切り者」との批判を受け、党内融和が課題。金文洙氏は尹支持層に訴求するが、高齢が懸念される。洪準杓氏は地域基盤が強いが、過去の敗北での印象が悪い。安哲秀氏は左派傾向が強く保守からの支持は弱いと思われる。こういったなか以前から噂されていた韓悳洙首相の出馬が現実的になってきた▼尹錫悦前大統領は罷免前、不正選挙疑惑や中国の政治介入を繰り返し訴え、「国民の主権が脅かされている」と警告した。与党は候補の一本化とともに、この危機を看過せず、一丸となって選挙の正当性を問うべきだ。李在明候補が世論調査でリードする中、保守は団結し、尹前大統領の意志を継ぐ戦いを展開するべきではないか。