与党候補が乱立 保守陣営、一本化を狙う

21代大統領選まで40日、李在明候補の対抗馬は
日付: 2025年04月22日 10時22分

 第21代大統領選挙は6月3日に実施され、残すところ40日となった。「共に民主党」の李在明代表に対抗する保守の候補は現れるのか。支持率で独走する李代表に対し、韓悳洙首相が保守候補として急浮上している。

(ソウル=李民晧)

 野党の候補者はすでに確定したと言っていい。最大野党「共に民主党」内では「どうせ候補は李在明だろう」といった空気が漂っている。
実際、李候補は19~20日に行われた予備選挙で89・65%という圧倒的な得票率を記録し、金東〓候補や金慶洙候補の得票率を大きく上回った。この流れが続く場合、党内は李在明候補一択のムードになるものとみられる。
他方、与党「国民の力」は候補者が乱立している。現在、支持率の上位は洪準杓・前大邱市長、韓東勲・元党代表、金文洙・前雇用労働部長官といった顔ぶれだ。その他の候補者は支持率が低く、巻き返しは難しい見込みだ。
「国民の力」の候補者らはいずれも「反李在明」を前面に押し出し、我こそが李代表を倒せる唯一の人物だとアピールしている。「李在明の嘘と腐敗をただすことができるのは自分だけ」(金文洙)、「『前科者の国』をつくらないために、反李在明のビッグテントを結成する」(洪準杓)、「怪物政権の誕生を阻止せねばならない」(韓東勲)。

 韓悳洙待望論も

まだ表立ってはいないが、韓悳洙首相の出馬が、選挙戦最大のファクターになる可能性がある。韓国ギャラップが行った「大統領選挙好感度」世論調査では、韓首相が保守陣営の中で最も高い支持を集めている。
今月8日には、韓首相とトランプ米大統領が交わした電話会談の内容が公開され、保守層の注目を集めた。トランプ氏が「出馬の意思はあるか」と尋ねたのに対し、韓首相は「悩んでいる」といったニュアンスで返答した。また、呉世勲ソウル市長が大統領選への出馬を断念する直前に韓首相と接触していたとの話もある。
「韓悳洙待望論」を現実のものとするためには、三つの関門を越えなければならない。最も容易な手段は、国民の力の予備選でトップになることだ。しかし、タイミングを逸してしまった。次の方法としては、保守系市民団体から推挙され、国民の力のトップ候補と決選投票へと進む道がある。そして5月3日に予定されている党代表の決選投票で勝利すれば第1関門はクリアする。
このようなシナリオが実現すれば、「韓悳洙対李在明」の対決構図が出来上がる。韓首相が保守候補として浮上している理由は、同氏の人生の歩みが李在明候補とは正反対だからだ。韓首相は米国や日本への理解が深く、外交通商の専門家としてグローバルな視点を持っている。
一方の李在明候補は、日米とは距離を置き、親中寄りの発言が多く、また多くの犯罪歴や疑惑を抱えている。この点が保守層はもちろん、中道層にも「李在明アレルギー」ともいえる感情を引き起こしている。保守が巻き返すためには、ばらばらに散らばっている保守候補を「一つに結集」することが必要だ。残された時間は多くはなく、志のもとに大同団結を期待したい。

19日、第65周年419革命の祝辞を読み上げる韓悳洙首相

 


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