韓日国交60周年へ動き活発

関連団体も各種イベントを計画
日付: 2024年12月03日 10時46分

 2025年、韓日国交正常化60周年を迎えるにあたり、両国はこれまでの協力の成果を土台に、さらなる未来志向の関係構築を目指す必要があるだろう。歴史的課題を乗り越えつつ、民間交流や文化コンテンツを基盤に揺るぎない友好・協の関係を築くことが求められている。特に若い世代を中心に、両国の未来を共に描く努力を続けることが、持続可能な関係構築への道となるだろう。こうしたなか、政府機関、民間、企業など60周年に向けた活動が活発化してきている。

 外務省は8月1日、外務省アジア大洋州局内に「外務省日韓国交正常化60周年事務局」を設置した。韓日国交正常化60周年を記念して実施される各種事業に対応するため設けられた機関だ。

 ■ロゴマークの募集

第1弾として10月28日~11月22日にかけて韓日国交正常化60周年記念行事で使用するロゴマークの募集を行った。
寄せられた作品は韓日両国政府の間で審査され、最優秀デザイン案1点が公式ロゴマークとなる。来年1月中旬までに結果を発表、公式ロゴマークの制作者に日本国外務大臣、韓国外交部長官両名から表彰状が授与される予定。
同事務局によると「現在、60周年を記念するイベントを準備中。詳細が決まりしだい順次、正式に発表していきたい」としている。

 ■プレイベント開催

今年の秋口からは60周年を記念する「プレ事業」も各団体で行われた。
財団法人日韓文化交流基金は9月6日、「日韓国交正常化60周年プレ事業 トークセッション<日韓×わたしたち>」を開催。会場/オンラインのハイブリッド開催で、計82人が参加した。日韓文化交流基金は来年のイベントに関して「現在、アイデアを持ち寄っている段階だが、60周年記念関連イベントは開催したい」と話した。
韓国文化院では11月11~13日に「2025年韓日国交正常化60周年プレイベント」を開催。600人が参加した。
韓国文化院は「まだ具体的には発表できないが、来年は60周年を迎えることから通常の年よりイベントの数は増え、規模も大きくなる。展示・音楽公演・KPOPオーディションなど、華やかなものにしたいと考え計画中だ」としている。
すでに発表されているイベントの一つがさっぽろ雪まつり公式協賛行事として09年にスタートした「さっぽろ雪まつりKPOP FESTIVAL」だ。音楽+GFSCチャリティーを通じ韓日文化交流の懸け橋となるべく話題のKPOPアーティストと共に「さっぽろ雪まつり」を16年間継続的に熱く盛り上げている音楽祭。来年は2月11日に予定されているが、「日韓国交正常化60周年記念」との冠をつけて開催する。事務局は「北の大地・札幌から、北海道初上陸となる話題のKPOPグループの参加で日韓国交正常化60周年の幕開けを記念するイベントとする」と発表。
代表的な韓日交流イベントの「日韓交流おまつり」では、参加した朴哲熙駐日韓国大使が「岸田文雄前首相が成し遂げた韓日関係改善の成果を継承していくためにも、韓日国交正常化60周年を迎える節目の年に、両国関係がさらによくなる契機としなければいけない。このイベントも民間交流の基盤となるものなので、各方面の協力を得てさらに盛り上げていきたい」と述べている。

 ■未来を描く好機に

1970年代半ばから草の根運動として韓日の民間交流を行ってきた日韓親善協会は、来年国交正常化60周年を迎えるにあたって来年5月12日に大阪で「日韓友好の集い」を、民団中央と共に開催することが決まった。「国交60周年と大阪万博を記念し開催する。13日が大阪万博の韓国ナショナルデイなので、その前日開催となった」(石井和美理事長)。
韓日国交正常化60周年は、これまでの両国関係を振り返ると同時に、両国の未来を共に描く好機。イベントなどを通して民間交流をさらに活発化させるためには文化、観光、次世代育成といった分野での取り組みを拡充する必要がある。同時に、歴史問題や地域課題に対する共同の解決策を模索することで、より強固な関係を築いていけるはずだ。この記念の年が、韓日の新たな協力の一歩となることを期待したい。


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