ホテルニューオータニ東京内に拠点を置く赤坂游ギャラリー(林隆宣代表)は来月5~14日の10日間、「古往今来~東洋古美術展Ⅱ」を開催する。
今回の出品作品で特筆すべきは、韓半島の美術史研究の第一人者・浅川伯教が「朝鮮王朝初期、世祖の時代の最も精緻な作品」と称えた、高さ35・6センチメートルの「粉青沙器印花文瓶」などだ。
林代表によると、「浅川氏の研究や、韓国の主要博物館のデータと比べても、今回展示する瓶は断トツで大きい。技術的にも曲面に均等につけられた印花文や、官窯での焼き物に多くみられる区分線も鮮明。また、瓶底にも菊花文がつけられていて、資料的価値が非常に高い」としている。
韓半島にゆかりのある作品では、新羅時代の「青銅鍍金観音菩薩立像」や、高麗時代の「黒高麗人参葉文梅瓶」など。
林代表は、「高麗青磁が日本にもたらされたのは室町時代からで、美術品を通じた交流の原点になっている。美術品は時代を映す鏡のような”時代粧”として、その価値が落ちることはない」と魅力を語った。
赤坂游ギャラリーでは昨年末、現住所への移転を機に「東洋古美術展Ⅰ」を開催した。昨年の開催に引き続き、今回の展示会開催となる。
「粉青沙器印花文瓶」の魅力やその歴史について語る林隆宣・赤坂游ギャラリー代表取締役