退任まで2カ月をきったバイデンがキューバ危機以来となる核戦争勃発の可能性を高めている。
ロシアの「ダークウィンター作戦」でキーウ側の電力網が破壊され、兵力資源も枯渇するや、バイデンは、トランプ就任前にウクライナを最大限武装させると言い、ATACMS戦術弾道弾でロシア本土を攻撃(19日)した。米国防部は、キーウ側に化学兵器や地雷なども提供すると発表。英・仏もロシア本土攻撃に加担した。
米・英など西欧は、プーチンが「警告ばかり続ける」と考えているようだが、ロシアは「警告が無視されれば、行動する」ことを忘れている。振り返って見れば、プーチン大統領の警告は後に、全部実行された。
米国がロシア本土を攻撃するや、ロシアは20日、IRBM「オレシュニク」で反撃、プーチン大統領は21日、米国とNATOに事実上の最後通牒を発した。ロシアはATACMSやストームシャドウミサイルなどをガイドする米国衛星の撃墜もロシアの権利と宣言した。
IRBM「オレシュニク」の実験は、NATOに対するロシアの軍事的優位を意味する。強い軍事力を持つロシアが平和を求めるのに、軍事力の劣る西側が戦争を好むとは滑稽だ。米国の核の傘に穴が開いたことを示す。
NATOが保有していた防空武器は西欧面積の5%のみ防御可能だったが、それさえほとんどをキーウ側に与えた。「オレシュニク」を迎撃する方法はない。
西欧の消耗品になってしまったキーウ側と、米国が抜けてウクライナ戦争負担を完全に抱えたヨーロッパは混乱に陥っている。西欧諸国は、現実を悟らねばならない。ハンガリーのオルバーン首相やセルビアのヴチェビッチ首相などは、NATOがロシア本土を攻撃し続けると、ロシアはこれに対応し新たな武器を使用すると警告した。
それでもDSはトランプに抵抗、サボタージュに出た。特に、友邦を動員してトランプを苦境に追い込むつもりだ。英国はウクライナ戦争の終息を阻止するための作戦「錬金術プロジェクト」を推進している。
トランプ大統領がウクライナ戦争を収拾しても、中東問題が世界大戦への火薬庫だ。
ICC(国際刑事裁判所)は21日、イスラエルのネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント前国防長官、ハマス隷下の軍事組織「エゼディン・アル・カッサム旅団」司令官などに対して逮捕令状を発した。米国の親イスラエル・シオニストたちは猛烈に反発している。トランプ2期の行政部の人選が完了したが、国防長官指名者のピート・ヘグセス氏は骨の髄までのシオニストだ。