李在明・共に民主党代表に対し「当選無効」を言い渡した1審判決は何を意味しているのか。李代表の選挙法違反に対する判決は2年前の第22代大統領選挙に適用されるため、結審裁判で「当選無効」が確定した場合、李代表個人のみならず、共に民主党も「共犯者」として責任を問われることになる。
(ソウル=李民晧)
国民についた「嘘」の影響
15日に判決が下された李代表の容疑は、第20代大統領選挙当時、京畿道城南市の大荘洞・白〓洞疑惑に対する虚偽の事実を流布した容疑(公職選挙法違反)だ。李代表はこれに対し一部有罪が認められ、懲役1年と執行猶予2年を言い渡された。
今後、最高裁でこの判決が認められれば李代表は議員辞職を余儀なくされ、2027年の大統領選挙にも立候補できなくなる。また、当該の事件は22年の大統領選挙時における違法行為であるため、共に民主党も中央選挙管理委員会から支援を受けた大統領選挙費用434億ウォンを返納しなければならない。
裁判所(ソウル中央地裁刑事合議34部、ハン・ソンジン部長判事)はこの日、李代表が大統領選挙当時、自身に関する2点の疑惑について説明した内容は虚偽事実の流布にあたると明言した。要するに「国民に嘘をついた」ということだ。
まず、李代表が城南市長時代に地域内の敷地用途を修正しマンション開発をしたとの疑惑について、李代表が京畿道の国政監査で行った「(朴槿惠政権時の)国土交通部に脅迫された」との説明は、明らかな虚偽事実の流布であると指摘した。
裁判所は、「城南市が適宜適切に判断すべき内容」という国土交通部の公文書などの証拠物をふまえ、敷地用途の修正は李代表自身による政策的判断に過ぎないとした。
次に、テレビ番組で李代表が語った「(大荘洞開発の実務責任者だった)故キム・ムンギ城南都市開発公社処長のことは知らない」「一緒にゴルフをしたことはない」という発言に関しては、二つの解釈を示した。前者の主張については「主観的認識の問題」として無罪を言い渡した一方、後者の発言については「自分の補佐役である人物とゴルフをしたことを覚えていないというのはあり得ない」とし、「虚偽の発言」であると判断した。
結果的に、裁判所は当時、国民的な関心事かつ大統領選の争点となっていた城南市開発疑惑について、李代表の嘘であると判断した格好だ。有権者が虚偽の内容を信じて投票したことにより、大統領選挙当時の民意と代議制民主主義の価値を損なったといえる。
大統領選挙で同氏が1600万票を獲得し、尹錫悦候補に0・73ポイント差に迫ったのも、こうした民意の歪曲が大統領選挙の結果に影響を与えた可能性が高い。
最高裁予算を246億ウォン増額した共に民主党
共に民主党は、李在明代表の無罪を勝ち取るための総力戦を展開した。政府が算出した最高裁予算を246億ウォンも増額して予算審査を行ったことで、「裁判所を懐柔しようとする行為である」と指摘する声が上がった。さらには、親李在明派と党の所属議員らが主導し、無罪判決を求める嘆願書100万枚を裁判所に提出したほか、裁判当日に支持者数千人がソウル中央地裁前でデモを展開し李在明代表の無罪を主張した。
その過程では詭弁も飛び出した。「国民が選んだ議員職と代表職を裁判所が判決で奪えるのか」というものだ。つまり、法理と証拠のみで判断するという司法の原則までをも揺さぶろうとしたのだ。
李在明代表は判決直後、「到底納得できない」と即座に控訴の意向を明らかにした。以後の2審は規定どおりなら3カ月以内に結論が出されるべきだ。しかし、1審の過程を振り返れば遅延となる可能性もある。選挙法違反の場合、通常は裁判の開始から6カ月以内に結審されるが、本件は1審判決に至るまでに2年2カ月を要した。
一方、今月25日には李在明代表の偽証教唆事件に関する1審判決が予定されている。
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15日、1審判決で一部有罪を言い渡され、固い表情を浮かべる李在明・共に民主党代表