2~4日、青年会中央本部の主催で6年ぶりに母国訪問を実施。162人の青年同胞が韓国を訪れ、コース別の魅力ある文化体験に参加した。本事業の関係者に取材し、今後の見通しなどを聞いた。
「韓国を強く深く体感せよ」
在日本大韓民国青年会中央本部(權亮洛会長)主催、在外同胞庁後援の「母国訪問2024~DIVE DEEP IN KOREA」を2~4日に実施、162人の若者が参加した。
母国訪問は、青年会中央本部が主催する中心行事。昨年まで、コロナなどの影響で開催が見送られていた。今回は2018年以来、6年ぶりに実施される運びとなった。
今年は〝全国の在日同胞青年が集結~韓国を強く深く体感せよ!〟がテーマ。2泊3日のプログラムは九つのコースに分かれ、入門者向けから本格的なアカデミック・ビジネス体験まで、魅力あふれる韓国文化が堪能できる企画となっている。
■魅力の9コースで深掘り
全国から集まった青年同胞らは訪問初日、ソウル市内の会場「KTurtle」で開会式を開催。親睦を深める場になった。
2日目、朝食を済ませてから以降はテーマ毎の班に分かれ、夕食会までの間にソウル市内を中心に各地での文化体験を行った。
具体的には、(1)入門者向け韓国文化(北村韓屋村など)(2)(3)Kフード(市場巡り・マッコリやおつまみ作り)(4)登山(北岳山など)(5)南北分断についての学習(DMZなど)(6)朝鮮時代文化(水原華城など)(7)Kビューティー(エステやチムジルバン)(8)エンタメ(COEXアクアリウム)(9)地域ビジネス(「大田市いいまちづくり事業」など)を体験。韓国旅行の定番といえるプログラムだけでなく、中~上級者向けの内容も盛り込まれている点が注目に値する。
各体験を終えてからはソウル市内の会場「阿味笑(アミソ)」に集い、夕食会を行った。
最終日、朝食と閉会式を終えた後は、全員でバスに乗り仁川空港へ移動。昼食後は各自、帰途についた。
■母国訪問通じて交流育む
李将浩・青年会中央本部副会長によると、今回の母国訪問は近年で最大規模のイベント開催となったため、多くの青年が新規で参加した。参加者は事前に青年会への入会が義務づけられている訳ではなく、母国訪問の後で各地方本部への入会を決めるケースも多いという。
実際に参加した人から、「初めてで不安だったが、勇気を出して参加して良かった。全国の同胞と交流する貴重な機会になった」「同じ在日韓国人という立場でも、様々な環境で育った人、それぞれの考え方があり、それを共有できたことが勉強になった」「一つ一つのイベントが楽しく、また来年も参加したいと思った。これを機に、地方での活動にも参加してみたい」といった声が届いている。
今年4月の「全国会長会議」の場で李副会長は、青年会の「会員増加」(KGI)と「認知度向上・ファン化促進」(KPI)を掲げていた。「今回の母国訪問は、企画担当・渉外担当・広報宣伝担当など、適材適所で中央本部メンバー個々の能力を最大限に発揮し、無事に開催できた。仲間たちには感謝しかない」としている。イベントの企画時点で青年会幹部らの組織的な強みを発揮した。また、「我々の想いが、一人でも多くの青年に伝わってくれることを願っている」と話した。
權亮洛・青年会中央本部会長は、「今回の母国訪問では、初めての参加者や久しぶりに韓国を訪れた人など、多くの在日同胞の若者たちとの再会を果たし、様々な企画を通じて親睦を深めることができた。活動を通じた新たな出会いや久しぶりに会う仲間との再会は、青年会の醍醐味だと改めて感じることが出来た」とし、「今後も、母国訪問事業は続けていきたい。来年は、韓日国交正常化60周年にあたる節目の年―。今回のような規模でのイベント開催はもちろん、より魅力を感じられる企画を、青年会として提供していきたい」と展望を述べた。
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2日、開会式を行ったソウル市内の会場で162人の青年同胞が一堂に会した。コロナなどの影響で6年ぶりの開催となり、新規で参加した若者も多かった(在日本大韓民国青年会中央本部提供)