5日投開票の米大統領選挙は、共和党候補のトランプ前大統領が民主党候補のハリス副大統領を破った。各国メディアはこれを受け、世界情勢が今後どう動くか、自国の経済に与える影響、米国内の分断などを報道しはじめた▼今回の大統領選における報道のあり方を考えたい。多くの韓日のメディアにとってトランプ氏の再選は予想外の結末だったようだ。つまり、ハリス氏が勝つと見ていたということである▼ハリス氏優位の根拠になったのは、「現地メディア」の報道である。米国メディアはFOXニュースを除けば、リベラル色が強い。リベラル系メディアが発信する情報は、リベラル寄りになる。得てして実情以上にハリス氏優勢になりがちだ▼本来、メディアは受け取った情報を検証し、取材で補完すべきだが、韓日メディアはそれを徹底できていなかったのではなかろうか。彼らはバイアスがかかった情報を、事実であるかのように報道した▼残念ながら、メディアが完全な中立を保つのは難しい。ウクライナ・ロシア戦争や中東紛争などの報道でも、一つのメディア報道をそのまま受けとり、信じるのは危険だ。またこの構図は、提携する韓国の報道機関の情報をもとに報じる日本メディアにも当てはまる▼英語のMEDIAとは、MEDIUM(媒体)の複数形である。情報源は、媒体を通して視聴者に届けられる。媒体も視聴者も、情報に偏りはないか、自分なりの観点をもち、精査することが必要な時代だといえるのではないだろうか。