編集余話

日付: 2024年11月06日 10時33分

 やはり、というべきだろう。北韓のロシア派兵である。ウクライナ政府の発表では、その数1万2000人。韓国国家情報院も派兵を確認したと明らかにし、尹錫悦大統領は「世界の安全保障を脅かす挑発。朝ロ軍事協力の進展度合いにより段階別に国際社会とともに必要な措置を取っていくだろう」と警告。さらには対空防衛兵器や殺傷兵器支援などが議論されはじめた▼北韓の派兵は言語道断というべき行為だ。だが、エキセントリックに反応してはいけない。仮に韓国もロシア・ウクライナ戦争に参戦すれば、韓半島に戦火が飛び火するリスクもある。むしろ北韓はウクライナで軍事力を消耗する。冷徹にみれば、韓国が手を出さないことが最良との見方もできよう▼殺傷兵器提供についてはウクライナの度重なる要求があっても、慎重を期さなければならない。一歩間違えれば北韓の対南挑発に口実を与えることになる。兵器を提供したという事実だけで交戦当事国なのか、という議論も起こるだろうが、ロシアからは確実に敵国とみられるだろう▼とにかくウクライナ戦争が南北代理戦の場になることが最悪のパターンだ。人は恐怖によって感情をコントロールされる。過去の歴史を見ても、恐怖による扇動、マインドコントロールが行われてきたことを忘れてはならない▼韓国にとって米国やNATOなどとの関係は重要だ。一方でロシアと北韓の動向を見守りつつ”賢く”対応する必要もある。恐怖と勢いに流され、本質を見失ってはいけない。


閉じる