「10月マダン」続々開催

各地方民団が多彩なイベント
日付: 2024年10月22日 12時39分

 秋の深まりと共に、民団の恒例行事「10月マダン」が各地で開催されている。今回は、鳥取・佐賀・神奈川県で開催されたイベントの様子と、韓日草の根交流の意義と成果について取材した。

秋の一日を楽しむ

 秋祭り「10月マダン」が各地で開催されている。先週から今週にかけて実施された、民団鳥取・佐賀・神奈川県本部のイベントの様子を紹介する。

■鳥取は伝統音楽の調和

鳥取市内の樗谿公園で13日、民団鳥取県本部(金允基団長)が「第17回シウォレマダン」を開催。昨年に引き続き規模を縮小しての開催となった。
アトラクションは例年通り、倉吉プンムルノリによる農楽の公演。当日、メイン会場となった公園内の梅鯉庵では、和楽の練習会や、神輿の練り歩きがあり、韓日伝統音楽のハーモニーが響いた。
ジャンケン大会で盛り上がった後で昼食の時間になり、準備した弁当とプゴック(干し鱈スープ)を堪能し、散会となった。「10月10日は晴れの特異日」と言われる通り、この日も秋晴れの爽やかな一日だった。

■佐賀は地域にマダン定着

佐賀市内の656広場で13日、民団佐賀県本部(朴弘正団長)が「第19回ふれあい交流マダン」を開催。580人が会場に詰めかけた。
「韓国の伝統文化や料理を通して草の根交流と親睦を深める」をテーマに、同会場で毎年開催されている。ステージイベントではサムルノリ公演・テコンドー演舞・佐賀大学ヨサコイ嵐舞などを披露。屋台・物産展ではチヂミ・トッポギ・ホットク・ホルモン汁・トリ皮焼きのほか、キムチ・キムパプ・唐辛子・韓国塩が販売された。
朴建燦・駐福岡総領事、中尾清一郎・佐賀県日韓親善協会会長が祝辞を寄せた。
朴弘正団長は、「コロナ下にも中止することなく開催できたのは、関係者一同の協力があってのこと。地域の交流イベントとして、今後も韓日交流の懸け橋となるように継続していきたい」としている。

■神奈川は話題の演出

横浜市内の三ツ池公園で19・20日、民団神奈川県本部(李富鉄団長)主催、駐横浜大韓民国総領事館(金玉彩総領事)共催で、2日間にわたり「2024韓日市民交流マダン」を開催。2万5000人が会場を訪れた。
1990年4月に京畿道と神奈川県が友好提携を結び、それを記念して94年に三ツ池公園内にコリア庭園がオープンして以来、30年間にわたり10月マダンを継続開催している。
開幕式で主催者あいさつを行った李富鉄団長は、これまで神奈川県本部では実現できていなかったK―POPやJ―POPのアーティストらによる公演を、今回のマダン開催の目玉行事として企画したと説明。続いてあいさつした金玉彩総領事も、アーティスト誘致に強いリーダーシップを発揮した李団長の貢献について言及した。
来賓として橋本和也・神奈川県副知事、敷田博昭・神奈川県議会日韓親善議員連盟会長、田野井一雄・日韓友好横浜市会議員連盟会長らがあいさつし、ステージは公演発表の場へと移った。
19日の第2部からのステージ公演は、韓国で話題となっている歌番組「韓日歌王戦」のように、韓国人歌手が日本の歌を歌い、日本人歌手が韓国語の歌を歌う形式で開催。マリン&アノン、惣田紗莉渚(元SKE48メンバー)、BRIGHTEN BAND、キム・ソヒ(元NATUREメンバー)、福田未来(トロットガールズジャパン出身)らが順次登場し、ステージを盛り上げた。
会場では鳥取・佐賀県と同様に、韓食の屋台が軒を連ねた。また、コリア庭園では趙善玉・料理研究院院長によるキムチづくりイベントや韓服試着、ユンノリ(双六)や投壺など韓国伝統遊びを体験できる参加型イベントが盛りだくさんだった。
会場を訪れた在日韓国人3世の久保田淳・横浜市国際局グローバルネットワーク推進部担当部長は、「韓日友好の民間交流を進めてくれている民団神奈川県本部や駐横浜韓国総領事館は、とても有り難い存在。横浜市として、もっと交流の輪を広げていきたい気持ちを市長も抱いており、今年5月に開催したにぎわい祭りで実現できた面もある。これから、このような地域交流の重要性が増していくのは、あいさつした全ての方が話した通り。政治に影響されない草の根交流を横浜がより先導して進めていきたい」と希望を語った。

神奈川のマダンは、アーティストによる流行の韓日楽曲をコリア庭園の前で披露。伝統と最新が調和


閉じる