韓国語学習者が急増

「世界公用語」目指す動きも
日付: 2024年10月22日 11時36分

 世界中で韓国ドラマやKPOPの人気が高まり、韓国語を学びたいという人が急増している。韓流ブームは日本、アジアでプレゼンスを確立、いまや欧米や中東にまで拡大している。韓国語学習者も同様だ。こういった背景のなか、韓国では「韓国語を世界へ」と、さまざまな動きが活発になっている。韓国の動き、日本での韓国語学習事情の現状などを取材した。

 

 韓国の社団法人「韓国正しい言葉研究院」は7日、ハングルの制定を記念する祝日「ハングルの日」(10月9日)に韓国語を世界で広く使われる公用語とすることを目指す「世界公用語(韓国語)国際推進委員会」の結成大会をソウル市内で開催した。 
元光鎬院長は「韓流ブームなどで韓国語の勢いが増しているなか、世界的に多くの学者からハングルの優秀さを認められている」とし、「ハングルと韓国語の優秀さを伝え、署名活動を行って国連総会と国連教育科学文化機関(ユネスコ)委員会に国際公用語への採択を請願する」と述べた。
現在、国連をはじめとする主要国際機関では英語、フランス語、中国語、スペイン語、ロシア語、アラビア語の6言語を公用語として使用しているが、これに韓国語を加えて世界で広く使われるようにしようというのが同委員会の目標だ。
日本語は漢字、ひらがな、カタカナから成り文章を表記する場合、煩雑さが伴うが、ハングルは英語と同じ表音文字。言語の普及は比較的、容易だともいえる。2008年にはハングルをインドネシアの少数民族・チアチア族の表記文字として採用しようと試みたこともある。
大学入試に韓国語科目を採用している国も増えた。昨年は日本、フランス、タイなど10カ国に及んだ。14年にはわずか4カ国だった。タイでは、23年の大学入試で第2外国語科目を受験した2万309人のうち19・8%が韓国語を選択した。

■TOPIKを年15回開催へ

韓国教育部は10日、25年の韓国語能力試験(TOPIK)の実施計画を発表した。韓国語に対する関心の高まりを受けて大幅に増加した受験者に対応するため、来年は試験開催をを15回に拡大。内訳は紙ベースの試験(PBT)が6回、インターネットを使った試験(IBT)が6回、スピーキング評価が3回。IBTの実施国も、今年の6カ国から13カ国に拡大する。
世界で韓国語学習者が増えているという状況に対し対応したかたちだ。

■日本では中国語を抜いて第2学習外国語に

日本では24年度のTOPIK開催は3回。10月13日に3回目が終了した。
昨年の受験者数4万1059人から、今年は1290人増えた4万2349人で歴代最多を更新した。微増だが、23年は4回開催、24年は3回だった。
日本でTOPIKを施行する韓国教育財団の李東俊TOPIKコーディネーターは、現在の受験状況について「受験者は年々、安定的に増えてる。一方で2級(高級)の受験者は増えているが、1級(初級)を受けるライト層の伸びが止まっている」とし、韓国語を真剣に学ぶ層は増えているが、学びはじめる人数は減っていることに対し、多少の懸念があるとした。
中国語水平考試(HSK)の23年の国内受験者数は3万2477人。すでに、韓国語は中国語を抜いて、英語につぐ第2の学習外国語となっている。
最近のSNSを見ると、特に10代の女性がハングルを使っていることが多い。名前をハングル表記にしたり、ハングルのハッシュタグを付けたりなど。日韓ミックス語というものまで生まれ、若い世代間で使われている。ハングルはすでに生活に浸透し、学習者数はある一定レベルまで達しているようだ。

日本で開催されたTOPIKの受験風景 

(写真=韓国教育財団)


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