韓国経済発展を絶賛

ノーベル経済学賞受賞者会見
日付: 2024年10月22日 11時02分

 今年のノーベル経済学賞は米マサチューセッツ工科大学(MIT)のダロン・アセモグル教授ら3人が受賞した。社会制度が国家の繁栄に及ぼす影響についての研究が評価された。受賞後の記者会見では、韓国経済について触れ、民主化の進展により経済発展を遂げたことを絶賛するとともに、問題点を指摘し、今後の解決策をも示した。

 

 受賞したのはアセモグル教授のほか、MITのサイモン・ジョンソン教授、米シカゴ大学政治学科のジェームズ・ロビンソン教授。アセモグル教授とロビンソン教授は、2012年に国の成長と関連した歴史的事例を分析した『国家はなぜ衰退するのか』の共同著者として韓国でも知名度が高い。
3氏は豊かな国と貧しい国に分かれる要因に着目し、植民地時代に導入された社会制度の違いを研究。現代の経済格差に決定的な影響を与えていることを示し、法の支配が乏しく、人々を搾取する制度を持つ国では、経済成長や技術革新が阻害されるとの理論を確立した。
受賞後、アセモグル教授とジョンソン教授はMIT主催のオンライン共同記者会見に臨んだ。
アセモグル教授は、韓国と北韓について触れ「分断前の経済規模はほぼ同水準だったが、異なる制度で国家運営がなされ、いまや経済格差が10倍以上に広がった」とし、「制度の役割を示す良い事例」とした。韓国が発展した要因について、「民主化を進めることに苦労したが、民主化達成後に経済成長を速めた」と分析した。
韓国経済の問題点について「依然として大企業によって支配されており、世界で最も速く高齢化が進んでいる」ことを挙げた。これについては「革新的なアイデアと技術に対する開放性が重要になるだろう」と解決策を示した。
一方で北韓については「一部の階層のためだけの制度であり、住民は途方もない圧政に苦しんでいる」と評し、「民主的システムを備えた韓国と統一されることを期待する」と述べた。
ジョンソン教授は、配偶者が韓国系米国人であることを冒頭で述べて「韓国は他の国々に比べ、驚くべき成果を成し遂げた」と称え、「包容的な制度を構築して、より強力で持続可能な成長を遂げることができる。韓国の事例は世界各国が目指すべき方向性を示している」と強調した。韓国の発展を「1960年代は国全体が貧しく、権威主義的な国家だったが、貧困撲滅と民主化のための努力の結果、経済成長を遂げた」と評した。
北韓の核・ミサイル計画についても言及し、「極めて危険な状況で、支配層が新たな制度の導入を許容することはないだろう」と述べた。

 

 


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