戦争に韓国を引き込むキーウの謀略

韓国国民は冷静に現実を直視せよ
日付: 2024年10月22日 10時55分

 国際社会の関心はウクライナ戦争から米国の大統領選挙、そしてイスラエルとイラン間の中東戦争・世界大戦への拡戦の可否に移っている。世界大戦へと火をつけるため躍起になってきたゼレンスキーが、ウクライナはロシア、イラン、北韓と戦っていると韓国を戦争に引き込むための謀略戦を始めた。尹錫悦政権と韓国メディアがキーウ側の刺激に反応、騒ぎだした。国情院は「北韓軍のロシア派兵」との証拠を公表。あまりにも愚かで軽率な行動だ。

 米大統領選挙まで2週間も残っていないなか、ソウル・東京・ワシントンの間に微妙な緊張、不協和音が生じている。ワシントンの雰囲気は急速に政権交代を覚悟する方向へと変わりつつあるが、米国社会に緊張と不安感が膨らんでいる。
国内政治に埋没した韓国は、対外的にはまるで西欧秩序の守護者のように分別のない行動をしている。ウクライナ戦争勃発以来、ワシントンの要求に応じて行動してきた尹錫悦政権は、ワシントンの「グローバル・ディープステート」に同調しロシアを一方的に敵対してきた。再三にわたるロシアの注意と警告を無視、国家主権を放棄したかのような尹政権の未熟な西欧追従は、結局「露・北同盟」を招いた。
韓国はウクライナ戦争や中東戦争などから、急速に高まる大戦への不安で、各国が軍備拡張に突入するや、これを武器と軍需物資輸出の好機としている。ところが、韓国をウクライナ戦争に引き込もうとする試みに、国際秩序の激変を考慮せずに応じている。
尹政権は、キーウ側を支援しろという米国の圧力と工作にほぼ無防備だ。特に尹政権の外交安保ラインに布陣された人々が、NATOは東西冷戦時の反共同盟という固定観念から抜け出せずにおり、弱点として作用している。冷静な観察と情勢判断が困難な状況だ。さらに少なくない韓国メディアなどが、ロシアは共産主義、ゼレンスキーのキーウ側は自由民主体制だと国民を誤解させている。
尹政権は、パレスチナとガザ問題では米国・イスラエルに対する国際社会の批判を意識しながらも、ウクライナ戦争の代理戦の本質については無批判的にアングロサクソンの立場に立っている。多くの韓国人は、NATOとロシアの戦争に対峙するとき、ロシアは旧ソ連の後継国家、NATOは「反共同盟」の「自由陣営」という幻想に捕らわれている。歴史的にNATOが反共同盟だったことは間違いないが、根本をさらに掘り下げればNATOがアングロサクソンの「反ソ同盟」であることを否定できない。NATOは、ソ連が自ら共産全体主義を捨てた後も、旧東欧は受け入れながらも、ロシアを解体するため、天文学的なお金を注ぎ、ウクライナをロシアを突く刀にした。
「ある問題において自分の味方の立場だけを知る者は、その問題について知ることがほとんどないとも言える」。有名なジョン・スチュワート・ミルの名言だが、ウクライナでNATOが敗れたのは、ロシア(スラブ)に対する西欧(アングロサクソン)の高慢と人種主義的偏見と軽視がもたらした結果だ。
NATOがロシアに勝てない現実は、すでに西欧自身が自認している。ウクライナ代理戦を立案した主役の一人のビクトリア・ヌーランド米国務副長官は今年春(3月)辞任した。英国首相の外交政策最高顧問ジョン・ベウも最近、静かに辞任(9月末)したという。彼は惨めに失敗した「クルスク侵攻作戦」を立案した主役と言われる。
尹政権と国情院が「北韓軍ロシア派兵」を大々的に強調するのは不適切だ。ワシントンやNATO首脳部も「北韓軍派兵」を確認していない。尹政権は武器庫が空になったNATOの代わりにウクライナ支援に韓国を駆り立てようとする陰謀に踊らされている。あるいは他の思惑があるか。仮に「北韓軍派兵」が事実だとしても、それがどうして韓国の安保を害するのか。国情院も当然、NATOが勝てないことを知っているはずだ。国情院は国家の情報機関で政権のものではない。尹大統領は自重せよ。

 


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