韓国国債、3大指数に組入

来年11月 投資拡大に期待
日付: 2024年10月16日 11時57分

 英国の指数算出会社・FTSEラッセルは8日(現地時間)、韓国国債を世界3大債券指数であるFTSE世界国債インデックス(WGBI)に組み入れることを決めた。編入時期は来年11月から。金融市場関係者からは、韓国国債の信用度が増すことによる海外からの投資拡大や、外国為替市場でのウォン取引活性化などに期待が高まっている。
FTSEラッセルは国債発行規模や国の格付け、市場アクセスなどを評価し、3月と9月に組み入れを決定する。韓国の水準が組み入れのレベルを満たしたことが理由となった。2022年9月に観察対象に含まれてから4回目で組み入れが決まった。
韓国国債の組み入れが決まったことで、海外投資家の資金が国債市場に流れ込み、韓国国債の信頼度が高まる効果が期待される。
WGBIで韓国国債の編入比率は2・22%になる見通し。全26カ国のうち米国の40・4%、日本の10・2%、中国の9・7%、フランスの6・7%、イタリアの6・0%、ドイツの5・2%、英国の4・8%、スペインの4・0%に次いで9番目の規模。
WGBIに追従する資金が2兆5000億米ドル以上と試算すれば、560億米ドル規模の資金が段階的に、韓国国債市場に流入するとみられる。
これまで「コリアディスカウント」のため韓国国債は国際債券市場で評価が低く、高金利で取引されていた。今回のWGBI編入による債券価格上昇に伴う低金利化によって、資金調達費用を抑えることができる。韓国企画財政部は最大600億米ドルの海外資金が流入すれば、年間1兆1000億ウォンの利子費用節減効果があると推計している。
またWGBIの追従資金は長期投資資金が多いため、海外から投資資金の流入が続き、外国為替市場の需給が改善され、為替相場も安定する。
一方でFTSEラッセルは韓国株式市場の「空売り禁止」を問題視している。これまで関係者の間で韓国が観察対象国に指定される可能性が取りざたされてきた。しかし来年3月末に空売り禁止が解除されることが確定したため、警告を発するだけに留められた。昨年の外国人国債投資非課税化や、7月に実施されたソウル外国為替市場の取引時間延長など、外国人投資家の市場アクセス性を高めようとする一連の政策もプラスに作用している。
今回のWGBI編入が及ぼす影響について韓国証券会社幹部は「海外資金流入で金融市場や景気に対する安定性が高まる」としながらも、「輸出企業が株式市場を主導している状況でウォン・ドル為替レートが低くなれば、輸出に不利になることを考慮する必要がある」としている。
大統領室もコメントを発表している。WGBIへの組み入れが決まったことについて「グローバルスタンダードにふさわしいと評価されたもので、資本市場の側面からグローバル中枢国家を実現した」とし、「健全な財政基調をはじめとする堅固なファンダメンタル(財政状況)に対する国際社会の高い評価が成し遂げた快挙」と評価。「経済的な国力向上という心理的効果に加えて安定的な国債需要の確保による資金調達費用の削減、外国為替市場の流動性増大などの実質的利益を得ることができる」と強調している。


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