「10月マダン」各地で盛況

地域に根づいた韓日交流
日付: 2024年10月16日 09時34分

 各地方民団で開催中の「10月マダン」が盛況だ。伝統や規模に定評があり、周辺地域や官民をつなぐ場として機能してきた。すでに開催を終えた民団愛知・茨城県本部の声を中心に、今年の傾向と、韓日国交正常化60周年を迎える来年の開催について計画や抱負を探った。

国交正常化60周年を好機に

 「10月マダン」は、各地方民団が主催して地域ぐるみで韓日親善を図るためのイベント。民団の主要行事として位置づけられており、プログラムは地域ごとに特色を持ち、近年の傾向としては「10月マダン」という呼称を用いないケースも多い。
今月下旬まで各地で開催されているが、民団愛知・茨城県本部のイベントを振り返り、「10月マダン」のあり方を考えたい。

■愛知は合同でBBQ大会

6日、民団愛知県地方本部(河隆實団長)の主催で「10月マダン」の一環として大野遊会を開催。会場となった愛西市の木曽三川公園内広場に関係者600人が集まった。昨年、開催した民団岐阜・三重県地方本部との東海3県合同大野遊会が好評であったため、今年も同様の規模での開催となった。
イベント内容としてはバーベキュー大会やオリニ企画、サムルノリグループ「ノリパン」の先導による参加者全員による「大農楽」など。子どもから大人まで誰もが楽しめる企画が組まれた。
来賓として金星秀・駐名古屋総領事、斉藤実・名古屋日韓親善協会会長、堀江俊通・日韓経済文化交流協会会長らが訪れた。

■茨城はホテルで賑やかに

14日、民団茨城県地方本部(金桂一団長)の主催で「第7回日韓交流おまつりinいばらき」を開催。会場となった水戸市内のホテルに地域の政財界や関係者など250人が集まった。
民団栃木県地方本部の三機関長らが出席したほか、屋台囃子・獅子舞い・ひょっとこ踊りなどを披露した楽団は千葉県流山市から駆けつけるなど、周辺地域から参加したゲストが多かった点は愛知とも通じる。


14日、水戸市内のホテルに250人の関係者が集まった。金桂一・民団茨城県地方本部団長は主催者あいさつで政権に影響されない韓日交流の強化を強調

 公演に先立ち主催者あいさつを行った金桂一団長は冒頭で、来年が韓日国交正常化60周年の節目に当たることに触れた。「韓日関係は良い時も悪い時もある。尹錫悦大統領と岸田文雄前首相との間で再開されたシャトル外交の意義は大きく、政治に影響されないさまざまな交流を市民レベルで継続していくことが重要」と述べた。また、今年8月に行われた筑波大学の学生による「日韓みらいファクトリーフォーラム2024」や、日韓文化交流基金が開催したトークセッション「日韓×わたしたち」のような青少年交流イベントに、茨城から多くの若者が参加したことを紹介した。
続いて来賓あいさつを行った福島伸享・前衆議院議員は、「韓国は自由民主主義を共有しているパートナー。政権が代わっても人同士の関係が途切れることはない。日本人もこれから韓国を多く訪れ、揺るぎない関係を作っていくべき」と話した。また、小沼巧・参議院議員と、堂込麻紀子・同議員も来賓あいさつの中で「日韓の関係強化を・茨城の地から」との視点から知見を述べた。
民団中央本部の李相哲・生活局兼文教局局長は、「来年の10月マダンは国交正常化60周年の節目に当たり、各地での開催だけでなく中央本部でも何か企画しなければいけないと考えている。新たに誕生した石破政権が尹大統領と岸田前首相のシャトル外交のような方向性を維持し、韓日友好を進めてくれることに期待している」と述べた。
伝統や規模に定評があり、周辺地域や官民をつなぐ場としても機能してきた「10月マダン」の開催意義は、今こそ高まっていると言えるだろう。今年の開催を控えている地域でのイベントや、来年の開催に向けた更なる発展に期待を寄せたい。

6日、愛西市内の公園で民団愛知・岐阜・三重の団員を中心に、関係者600人が集まりバーベキューやオリニ企画を楽しんだ(在日本大韓民国民団愛知県地方本部提供)


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