尹大統領がチェコ訪問

活発な経済外交を展開
日付: 2024年09月25日 10時02分

 尹錫悦大統領は20~22日にチェコを訪問。これまでも経済外交を積極的に進めてきたが、今回のチェコ訪問も優先交渉権を得ているドコバニ原発をはじめ、電気自動車(EV)、水素関連事業など合わせて、56のMOU(基本合意書)を締結するなど大きな成果をあげた。

 

 尹錫悦大統領は22日、3日間のチェコ訪問を終え帰国した。尹大統領とともに経済使節団としてサムスン電子の李在鎔会長、SKグループの崔泰源会長、現代自動車グループの鄭義宣会長、LGグループの具光謨会長らが同行。チェコ政府・企業とEV、EVバッテリー、水素、半導体など先端産業分野での協力について協議した。
今回の訪問は韓国・チェコ両国で原発関連産業の連携に向けた強固な基盤を構築し、経済協力を推進していくことが最大の目的。
訪問初日の20日、尹大統領は原発向けタービンを製造する企業「DOOSAN Skoda Power」、原発機材を生産する「Skoda JS」をチェコのフィアラ首相と共に視察。その後、原発協力に関する協約式に出席した。
協約式では、両国産業部が原発建設から技術開発、人材育成など、原発全分野で協力していくことを確認、民間の協力も両政府が支援する内容を含むMOUを結んだ。
両国は来年、国交正常化35年と戦略的パートナー関係構築10年を迎える。これに合わせ、両国は原発を含む戦略的パートナー関係の強化に関する共同声明を採択。
声明には(1)原子力(2)貿易・投資(3)科学・情報通信技術(4)サイバー安全保障(5)観光・文化などの分野で協力を強化する内容が盛り込まれた。今回の協約式を契機に核燃料、放射性廃棄物管理部門など原発関連で13件のMOUを締結。その後も貿易・投資及びエネルギーなど、合わせて56件のMOUを締結した。
韓国水力原子力は7月、チェコが推進しているドコバニ原発の2基新規建設事業の優先交渉権を得た。
同事業の総事業費は24兆ウォンを超えると言われ、韓国にとって経済的な効果が大きい。
2050年には世界中で稼働する原子力発電所は、最大で1000基に達すると予想され、有望市場と見られている。チェコからの原発受注は、グローバル市場へ向けての原発輸出拡大へ大きなステップになる。韓国政府はチェコに続き、ポーランドや英国、アラブ首長国連邦(UAE)などでの原発建設の受注にも乗り出す計画だ。
一方、チェコとの原発最終契約は来年3月を予定しているが、解決しなければならない問題が浮上してきている。競合企業の米ウェスチングハウスの反発だ。韓国水力原子力はウェスチングハウスの基本技術を活用しており、ウェスチングハウスを通じた米政府の同意なく、第三者が同技術を使う権利はないという陳述書をチェコに提出した。
韓国がUAEの原発建設事業を受注する際もウェスチングハウスを通じて米政府の同意を得ており、今回もそれは変わらない。UAEの原発受注時には、同意を得ているものを今回は容認しないというのはおかしな話だが、世界的な原発拡大の流れから、ウェスチングハウスが原発分野のイニシアチブを握ろうとしているとしたら、韓国にとり原発輸出の今後に大きな課題が生じたと言えるだろう。

 

 


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