核戦争の可能性が高まる中、金正恩が核能力を誇示しロシアとの親密姿勢を明確にした。金正恩は13日、平壌でロシア国家安保会議のセルゲイ・ショイグ書記に会い、両国間の「戦略対話」を深化させることを合意したと、平壤の労働新聞が14日、報道した。
ショイグの訪北は、金正恩とプーチン大統領のボストチーニ宇宙基地での首脳会談1周年に合わせたが、金正恩はショイグと露北間の相互安全と利益を守るための協力を強化する問題、地域や国際情勢について幅広く意見を交換したという。金正恩は6月の露北包括的な戦略的同伴者関係に関する条約の精神によるロシアとの協力をさらに拡大していくと言った。
北韓側の対外関係の中心軸が中国からロシアに移動する流れが続く中、崔善姫北韓外務相が18~20日、サンクトペテルブルクで開かれる第4次「ユーラシア女性フォーラム」と「BRICS女性フォーラム」参加のためロシアを訪問するという。崔善姫は24日、開幕する国連総会には出席する可能性が低いという。平壌の労働新聞は、北韓政権樹立日(9・9節)にプーチン大統領が送った祝電を中国の習近平主席の祝電より先に紹介した。
一方、短距離弾道ミサイルを発射(11日)した北側が、金正恩がショイグに会う13日、核兵器生産の「心臓部」である高濃縮ウラン(HEU)製造施設(遠心分離機)を公開した。韓国国防部の韓米核協議グループの模擬練習(TTS)発表(8日)に対応すると同時に、2カ月も残っていない米大統領選挙を狙ったものと見られる。
韓米当局は、北側が公開した場所が平安南道降仙団地内の施設の可能性が大きいと見る一方、平安北道寧辺の新しく拡張した核施設の一部か第3の場所の可能性もあるという。軍事筋は過去、パキスタン側が北側に実物や設計図などを提供したP2型(高さ約2m)を自体改良したものと見られ、すでに把握されている、寧辺と降仙の核施設だけが「フル稼働」しても、北側は年間最大10個ほどの核弾頭を確保できると見られるという。
韓米当局は、戦術核弾頭の小型化や標準化に成功した北側が核実験準備を終えた状態で、豊渓里の核実験場もいつでも核実験ができるように復元が終わったという。