混迷の米大統領選挙、偏向TV討論会

米国を国際秩序のリーダーと言えるか
日付: 2024年09月17日 09時32分

 ウクライナ戦争でNATOが限界を見せている中、この戦争の行方に決定的な影響を及ぼす米大統領選挙まで2カ月をきった。トランプ前大統領はウクライナ戦争の即時停戦とロシアに対する制裁解除を公言した。カマラ副大統領はウクライナに対する継続支援を公言している。両側の公約は妥協が不可能なほど対立しており、どちらが大統領になるかで米国は全く違う道を行く。米大統領選挙は果たして公正に行われているのか。先週のトランプとカマラのTV討論会は、米国がもはや民主主義諸国、世界のリーダーと言えない実状を世界に露呈した。絶望的なのは、米国のビッグメディアなど大多数が、もはや公正な報道機関であることを放棄した現実だ。

 

 トランプ前大統領とカマラ副大統領間の討論は、米国社会を掌握している左派エリート層にこれ以上常識と公正が期待できないことを確認させた。議論を主管したABCの司会者2人は”司会者”ではなく、カマラのための出演者だった。世界に中継された内容は、見る人々の目を疑うほど偏向的だった。トランプ候補は3対1の討論を強いられた。
司会者はトランプの発言を不当に攻撃し否定した。反面、カマラについては質問すべきこともまったく質問せず、カマラが質問とかけ離れたことを言っても全く追及をしなかった。ABC側が事前にカマラに有利な討論会を準備したことが誰の目にも明確だった。カマラ側に質問紙を事前提供するなど疑惑がすぐに提起された。しかし、大多数の西欧メディアはカマラの勝利を伝えた。
一方、ABCの内部告発者が、カマラのために今回の討論会を不公正に約束、準備した事実を暴露した。15日に公開された内部告発者の宣誓陳述書は、民主制度の基礎である選挙で、また先進国の言論として到底あり得ない全体主義独裁権力においてのみ起こり得ることが米国で公然と恣行されたのを確認した。
問題はこの途方もない事態を、ソーシャルメディアのX(旧Twitter)や一部のメディアを除き報道せず黙殺していること。西欧を追従する韓国と日本メディアもカマラ側に不利な内容は徹底的に無視している。
Googleなどで検索しても関連内容を見つけることができない。メディアの無条件支援にもかかわらずカマラの支持率が上がらないとみるや、左翼民主党に不利な内容を徹底に消している。恐ろしい検閲だ。
15日、トランプ前大統領がゴルフ中に狙われた。バイデン大統領がトランプ暗殺を示唆するような発言(7月8日)があってから5日後にトランプに対する狙撃(7月13日)が起きたように、カマラが支持率を反転させる機会を失った絶望的なTV議論から5日後にトランプ前大統領に対する狙撃試みがあった。今回は警護員たちの適切な対処で阻止された。
トランプに対する二度目の暗殺も失敗し、メディア操作にもカマラの当選は難しい状況だ。”いんちき討論会”を覆おうとするかのように、大半のメディアは第2の暗殺の試み(15日)を大々的に報道している。
トランプは暗殺されなければ当選する状況だ。今、米民主党は、彼らがこの3年間で不法入国させた、1500万人以上とも言われる不法入国者などを利用した詐欺選挙で勝利しようとする。4年前にも不審な郵便投票など投票結果の検証は行われなかった。
11月の米大統領選挙は敗北した方が結果を承服しないと見られる。同盟国がワシントンの現権力層に味方するのは世界大戦への呼び水になる暴走だ。

 

 


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