韓国人の主食であるコメの消費量が減少している。昨年における1人当たりのコメ消費量は平均56・4キロ。統計庁が調査を開始した1962年以降、最も少ない数字だ。今年のコメ消費量について流通業界は、昨年よりさらに10%ほど減少するものと見込んでいる。
1人当たりのコメ消費量は、30年前の半分にまで減少した。91年には年116・3キロだったのが、2022年には年56・7キロにまで激減しているのだ。一方でコメの需要が減少しているのに対し、生産量は依然として過剰な状況が続いている。過剰生産はコメ価格の暴落につながり、昨年は80キロ当たり21万ウォン台だった産地のコメ価格は17万ウォン台にまで下がった。「農薬代も捻出できない」という農家の不満が噴出する中、政府も引き続き支援の一環としてコメを買い取っている。昨年1年間で備蓄用に政府が買い取ったコメの量だけでも40万トンに及ぶ。
コメが余剰な状況にある韓国だが、食糧自給率は46%に過ぎない。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で最低の水準だ。小麦の場合、国内の年間消費量は250万トンだが、生産量はわずか10万トンだ。つまり、消費量の96%を輸入に依存していることになる。
韓国人の主食はコメからパン、豆(大豆)など多様化しつつある中、小麦農家の数はあまりにも少ない。小麦の自給率目標は2030年までに10%だが、これも達成は容易ではない。英国のEIUが算出した22年の食糧安全保障指数によると、韓国は日本や中国に比べて総合得点の順位が低いことがわかった。22年、韓国は44位で12年より7ランク低下した一方、中国は同期間中において49位から25位へと急上昇し、食糧安全保障指数が改善された。日本は10位以内を維持し、食糧安全保障の面ではアジア最上位圏に入った。
(ソウル=李民晧)