編集余話

日付: 2024年09月04日 10時21分

 1981年、夏の甲子園。古い高校野球ファンであれば覚えているであろう。報徳学園と京都商業の決勝戦には、計7人の在日韓国人部員がいた。彼らの同胞が沸いたのは言うまでもない▼それから43年。今度は韓国系学校をルーツに持つ京都国際高校が深紅の大優勝旗を手にした。韓国籍の選手は1人だけだが、泥まみれのユニフォームで彼らが高らかに歌っていたのは韓国語の校歌だった▼選手たちは京都府を代表して戦うなか、在日韓国人社会からの期待も背負っていた。応援に訪れた多くの在日韓国人たちは涙を流し、互いに抱き合った▼京都国際は中高生合わせて全校生徒数は160人。1999年に廃校を防ぐために野球部が創設され、それが転機となった。現在もグラウンドは狭くいびつ。逆境に打ち勝つ強さは、先輩から受け継がれてきた伝統だろう▼京都国際ほど脚光を浴びてはいないが、同じく韓国系学校をルーツに持つ白頭学院建国高等学校も偉業を達成した。「文化部のインターハイ」といわれる全国高校総合文化祭で最優秀賞に輝いた▼日本の高校総合文化祭で韓国伝統文化が認められたことは、在日にとって、韓日友好を願うすべての人々にとって大きな意味があるといえる▼両校の活躍は、これからの韓国と日本がどんな隣人同士であるべきかという答えを示しているようだ。日本と在日同胞の若者たちが協力して大きな目標を達成した。韓日の未来を作る彼らが一致団結したように、韓日が協力し、両国の未来を作っていくべきだろう。


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