文在寅前大統領がついに検察によって刑事犯罪の被疑者と適示された。尹錫悦大統領は、「文在寅の積弊」清算への全面攻勢に出た。李沅ソク検察総長の退陣(8月15日任期満了)で同氏が韓東勳と共にサボタージュしてきた文在寅政権の不正に対する捜査が急速に進んでいる。尹大統領はメディアを動員した左翼のあらゆる虚偽宣伝・扇動の撲滅を宣言。尹大統領を裏切った韓東勳は、李在明と組んで与党の掌握力維持を図るが、次期大統領候補としての地位をほぼ失った。
文在寅前大統領の前娘婿の「タイ・イースタージェット特恵採用」疑惑を捜査中の検察(全州地検)が8月30日、文在寅の娘・文多恵の自宅と事務所、別荘を家宅捜索した。家宅捜索令状には、文在寅が中小企業振興公団理事長職を李相稷前議員に提供、その対価として2億2230万ウォンの賄賂を受けた疑いが適示されたという。文在寅とその一家、側近たちは、在職中から市民団体などによって数多くの不正と犯罪容疑で告訴、告発された。
民主党は、検察が文在寅の娘の自宅を家宅捜索したことを「政治報復」と非難した。自身も複数の犯罪と不正で来月に1審宣告で有罪が確定的な李在明も、SNSで「政治報復を断固として排斥する」とした。
文在寅一家は特別な職業もなく青瓦台に寄生し豪華な生活を享受した。文在寅の娘婿は、航空業に何の経験もないのに、李相稷前議員が所有していたタイ・イースタージェット航空の高位役員として採用され、2018年7月から20年まで毎月、給与と住宅支援を受け、2億ウォン以上の金銭的利益を得た。検察は、この採用が中小企業振興公団理事長の職を提供した対価の賄賂と判断している。
検察は文在寅が受けた賄賂がどう使われたか捜査してきた。今回の押収捜索でタイ・イースタージェット特恵採用に関する資料、警護処職員、青瓦台職員、元春秋館長などを通じたマネーロンダリング、違法な金銭取引に関する資料も確保したという。
検察は、文多恵所有の済州島別荘購入資金が文在寅一家の権力濫用に関連した不法資金ではないか追跡している。文多恵は文在寅退任直後の22年7月に済州島の別荘を3億8000万ウォンで購入した。当時、文多恵家族は特別な所得がなかったのにもかかわらず全額を現金で別荘を購入した。
検察は、先月初めから文在寅夫妻の金融口座を追跡、怪しい金融取引を確認したという。法院が文在寅夫妻の口座追跡令状を発行したのは、腐敗不正捜査が正当と判断したためだ。検察はその後、曺国元大統領民情首席、任鍾晳元秘書室長などを招喚調査した。招喚調査を受けた者は皆、疑いを否定、黙秘権を行使したという。だが、検察の一連の対応を見れば、文在寅の腐敗不正に対する確実な証拠をすでに確保したようだ。文在寅の招喚の手続きを踏んでいる。
文在寅の賄賂罪は文政権で発生した腐敗不正事件の氷山の一角に過ぎない。尹錫悦政権の2年間、文在寅政権に対する捜査が全く進まなかったのは、韓東勳法務長官と李沅ソク検察総長が故意に文政権の捜査を放置、遅らせたという批判があり、一部が事実として確認されたという。
韓東勳・李沅ソクは2年の間、月城原発の経済性評価操作事件、西海公務員銃撃事件、脱北漁師の強制北送事件、蔚山市長選挙への青瓦台介入事件など、様々な捜査を遅延させ妨害してきたと言われる。李沅ソク総長は、大庄洞開発特恵、城南FC後援金事件、法人カード流用事件など、多くの犯罪の疑いのある李在明の携帯電話の押収令状の申請を妨害したという。文在寅の娘婿の不法特恵採用関連の全州地検の捜査も故意に遅延させた。
尹大統領は4月の総選挙後、検察と法務部の核心捜査ラインを総入れ替えし、事件の捜査を本格化した。文在寅一家の不正で始まった検察の捜査は文政権の6大犯罪と板門店USBスパイ事件などへ拡大している。文在寅はこの多くの事件の主犯だ。法曹は文在寅の拘束が間近と見ている。
この状況で1日、韓東勲と李在明が会った。両人は同病相憐れむだ。李在明は10月中に有罪判決を受けるのが確実。曺国も有罪判決が確実だ。文在寅は、自己保護のためにも政界に復帰し政局を揺るがせねばならない。すでに政界再編が始まったと言える。まずは光復節特赦(8月15日)で復権した金慶洙(元慶南知事)が台風の目になる。同氏はもともと文在寅の後継者のはずだった。