韓国への正規留学の勧め

都内で「おうちコリア留学」が講演会
日付: 2024年08月15日 04時43分

 韓国の音楽、ドラマ、ファッション、美容に関心を持つ日本の若者が増えている。これらをより身近で感じるため語学留学を選ぶ人も多い。一方で、韓国の学生と4年間ともにキャンパスライフを過ごす”正規留学”へのハードルは高いといえるだろう。関連情報も不足している。「韓国正規留学博覧会」などを通し、正規留学の意義と課題点を考えた。

 

 韓国に拠点を置く「おうちコリア留学」(春日井萌代表)は3日、「韓国正規留学博覧会」を都内で開催。会場には韓国の大学職員、留学を希望する日本の学生やその保護者、関係者80人が集まった。おうちコリア留学は、韓国に提携9校を持つ留学支援団体。累計300人以上の合格者を輩出している。留学と言っても、四年制大学への正規留学・期間が定まった交換留学・日本の課程を終えてからの編入学など多様だ。当日は必要書類の作成、所持しておくべき韓国語能力試験(TOPIK)の等級など、具体的なアドバイスが行われた。
主催者あいさつを行った春日井代表は、自身が2011年に延世大学へ正規留学する際、苦労した経験を語った。
「留学について自分の力だけで調べるのは大変。疑問に寄り添える人たちがいることを伝えるため、今の仕事をしている。留学経験者が増えていけば、日韓両国の豊かな交流を増やしていけると信じている」と話した。
第1部は、韓国の成均館大学・漢陽大学・釜山大学の職員が登壇し(1)大学・語学院の紹介(2)入学時期・手続きの説明(3)各種奨学金の案内を行った。
質疑応答の場では、会場の高校生から「韓国の大学に入学するとき、高校時代の成績が(奨学金などの)評価の対象になるか」という具体的な疑問も聞かれた。
第2部は、オンラインで参加した崇実大学・西江大学の関係者が1部と同様に留学の制度について説明。並行して会場の後方では、第1部に登壇した大学職員らと留学を希望する学生が直接話をできるブースが設けられた。また、TOPIKで高得点を取るためのセミナーをトリリンガルのトミさんが開講、春日井代表が最後に再び登壇し、正規留学の意義について語った。最後まで参加者は熱心に聞き入っていた。

◆在日韓国人にとっての母国正規留学の意義

在日同胞として正規留学の重要性を訴えるのが崔勇雄さんだ。崔さんは1989年に高麗大学経営学科に入学した。崔さんは当時を振り返り「高麗大学の授業は英語で行われ、4年で卒業できた学生は少なかった。あのとき苦しんで必死に勉強したおかげで、今の自分がある。在日社会で活躍できるのも留学の経験や、そこで貴重な友人を得たからだ。在日韓国人として日本で生活してきたが、韓国文化を本当に理解できたのは留学を通してだった。10年・20年先の在日社会を考えたときに、留学を通して、さまざまなことを学んだ人材こそ、在日社会のリーダーとして求められるのではないかと思う」と語る。以前は、在日高麗大学留学生らが組織した「虎瞳会(ホドンフェ)」があった。同会は、昨年に50周年を迎え、今年に入ってから記念誌の刊行も行われた。崔さんは「現在の在日社会を虎瞳会会員らで牽引しているという自負もある」と留学の意義を強調した。

登壇者、受講者ともに熱の入った留学博覧会

 

 

 

 


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