【社説】「韓米同盟」なき安保を覚悟せよ

グローバル全体主義からの独立を
日付: 2024年08月15日 04時24分

 国際秩序の大きな枠組みが急速に変化し、韓国の安全保障環境も完全に変わった。
核武装した北韓とロシアの同盟は、もはや「米国の核の傘」が抑止力を発揮できなくなったことを意味する。一方、米国に言われてNATOに引き込まれながら西欧諸国の再武装を事実上、支援している韓国は、反西欧陣営からは優先的攻撃(核攻撃含む)目標となった。武器の輸出を自慢するのは核攻撃を誘引する愚かな行為だ。
米国が大規模な遠征戦争を遂行できなくなった実態も明らかになった。
これまで米国は、同盟国の力を世界戦略に利用するため同盟を維持することを戦略としてきた。米国の朝野からは、「同盟国であるなら(米国のための)費用を出せ」という主張が共感を得ているというのが実情だ。つまり、米国が同盟国を助けて保護した時代は終わった。裕福で寛大な米国によるパックス・アメリカーナは終わった。
現在、米国の国債発行は、中国、日本、ドイツ、英国のGDPを合わせた額より多い。米国が毎年支払う国債の利子は、国防費の1・5倍を超える。米国はすでに同盟国を直接助けられる経済力を有さない。つまり、韓半島有事の際、米国は高強度の地上戦に介入する能力も考えもない。
この状況で韓国が取り得る選択は、自らの能力で北韓を解放するか、南北韓が果てしない不安定な消耗戦を続けるか、北韓と友好的な共存を模索するかだ。だが、核で武装した北韓と友好的共存が果たして可能か。そもそも、韓半島の分断79年を振り返れば、韓国による韓半島の統一を望み支援した周辺国はなかった。
米国は自分の影響力を行使できる核心同盟国に対しては断固として核武装は許さなかったが、イスラエル、インド、パキスタン、北韓などの核武装は阻止できなかったか、もしくは黙認した。米国は同盟相手に、自分が保護してあげるという約束を信じろと強要してきた。だが今、米国は自分のこれまでの約束を守れないことを認め始めた。韓国は自力で主権と生存を守らねばならない。
強大国は自分の行動を正当化することができる。西欧はスローガンでは国際秩序や国家関係の基本は、相互平等・互恵関係と言うが、これは西欧文明圏内での話だ。西欧は西欧文明の外に対して相互平等、互恵を実践したことがない。
国連憲章25条は、「国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受け入れ、履行することに同意する」とあるが、米国は安保理で決議された事項も法的拘束力がないと守らない場合がある。
そして国際法や安保理決議より、いわゆる「規則基盤秩序」を国際社会に強いる。
ウクライナ戦争では、西欧は「規則基盤秩序」をもって安保理常任理事国のロシアを制裁した。
国連安保理と総会の決議、国際司法裁判所と国際刑事裁判所の命令、要求を無視するイスラエルを米国は庇護する。米国は他の同盟国、他の同盟の要求もイスラエルのように庇護・肯定してくれるか。
西欧中心の秩序は、西欧が分裂すれば当然瓦解する。世界は、ウクライナ戦争の進行を通じて今、西欧(NATO、EU)の分裂を見ている。米国などは、同じNATO加盟国でもギリシャとテュルキエが対立する時は常にギリシャの肩を持ってきた。宗教や人種的基準による差別が存在する。もっとも、ブリュッセルのEU官僚独裁は、加盟国の主権すら認めない。
米、英などがテュルキエを差別しながら、韓国と日本をNATOに引き入れようとするのは、日本と韓国をNATOの戦力に入れたいだけだ。
世界は、米国がソ連の圧力から西欧文明を保護するために中国を利用し結果、西太平洋のいろいろな同盟を捨てたニクソンショックを記憶している。
韓日当局は、政治家の権力維持や特定階層の利益ではなく、国家主権と生存、国民の利益・尊厳を優先せねばならない。
韓日はグローバル全体主義の手段となったNATOのため存在する国ではない。NATOが起こした無意味な戦争に加担することに反対する。主権国家としての自主的判断と対処を要求する。


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