大阪市の会場で先月5日、韓日の北韓人権関係3団体が主催し「金正恩政権下に脱北した青年が語る―北朝鮮・中国・韓国」と題したセミナーを開催した。
はじめに、主催団体から山田文明・NPO法人「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」理事と、韓国の社団法人「新しい人生~北朝鮮人権活動」のイ・ハナ代表があいさつを行った。司会を一般社団法人「Free2move」の洪敬義代表が務めた。
当日は、1990~2000年代に北韓で生まれた4人の男女が、金正恩政権下の2010年代に脱北した経緯について語った。
共通して述べられたのは、1990年代のいわゆる「苦難の行軍」の時代に北韓内で配給制度が破綻して以降、生活のために闇市(チャンマダン)を通じ、苦労して生きなければならなかった両親のもとに育った世代に当たる4人の体験には、個人主義が貫かれていたという。
現在は韓国で自由・民主主義を謳歌する生活を送っているが、脱北の過程で中国人から受けた人身売買の傷跡、韓国でも受ける差別との闘いに今なお苦しんでいると語る。
登壇者の1人は2020年に北韓で作られた「反動思想文化排撃法」のような動きも、変化の兆しとして捉えているという。
いまの北韓当局が法律を作ってまで韓国ほかの外国文化や情報への接触を禁じているのも、その影響の大きさに起因するものであると4人は指摘した。