「選管委」特定政党への偏向指摘

「公正さ」を失墜 改革要求が殺到
日付: 2024年07月31日 04時55分

 今年で開設61周年を迎えた中央選挙管理委員会(以下、選管委)は、韓国における選挙と政党及び政治資金に関する事務を統括する政府の行政機関だ。過去の不正選挙や4・19(四月革命)の結果、設けられた。しかし選管委に対しては、「特定の政党を支援し、選挙を公正に管理する審判としての役割を果たしていない」との批判が後を絶たない。そのため、さまざまな選挙における候補者の「得票数」が実際の票数と異なるのではないか、との疑惑が拭えずにいる。

(ソウル=李民晧)

 選管委はこれまで、幹部の子女の不正採用や北韓によるハッキング攻撃の隠蔽、国情院のセキュリティ点検拒否などといったスキャンダルが相次ぎ、管轄する各選挙の結果に対し疑念がもたれている。
特に「共に民主党」の主張に偏向していると、認識されていることは選管委にとって大きな痛手だ。2019年、文在寅前大統領が自身の選挙で特別補佐官だった曺海珠氏を中央選管委員に任命した時から、疑惑は事実へと変わり始めた。曺氏は閣僚級の常任委員として事実上、選管委をリードする要職に就いた。
選管委が民主党の主張に偏向していた事例は多い。その一つとして22年3月、大統領候補に立った李在明氏の選挙用チラシに掲載されていた「検事詐称」の前科記録事件が挙げられる。李候補は22年、検事詐称容疑により最高裁判所で罰金150万ウォンの有罪判決を受けた過去がある。しかし選挙用チラシには「裁判の結果、検事詐称のほう助という判決に至った」と事実を歪曲するような内容を掲載した。
国民の力はこれに対し異議を申し立てたが、選管委は「犯罪の背景や経緯、及び行為に対する説明にすぎず、異議申し立ての対象には値しない」と返答した。言い換えれば、虚偽事実の掲載とはみなされない、という意味だ。
裁判で有罪が確定したにもかかわらず、犯罪を覆い隠すような形へと偽装し、それを容認したことで選管委は「偏向的かつ不公正な機関」としての烙印を押されてしまった。
今年の4月に行われた総選挙以降、与党・国民の力は選管委に対する不信感をあらわにしてきた。「選管委と民主党は『共生的な同業関係』にある(金起炫議員)」や「選管委と民主党は『持ちつ持たれつ』の関係(李喆圭議員)」といった発言は、選管委に対する公平性の欠如を指摘したものだ。
こうした流れを受け、関係者の間では選管委に対する抜本的な改革を求める声が上がっている。
(1)常設状態にある選管委の縮小(2)中央から国内全土、海外にまで置かれている巨大組織の非効率性(3)選管委の権限と裁量の適正性などを検討した後、大々的な組織改革が必要だと指摘されている。

京畿道果川にある中央選挙管理委員会(選管委)

 

 


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