西欧文化の誇りだったパリで開催されたオリンピックが、世界中に衝撃を与えた。フランスの素顔はもちろん、先進国グループのG7、そして堕落した西欧文化の実状が見られた。
パリオリンピックの開会式はスポーツと関係のないジェンダーイデオロギーなどを世界中の人々に強いる傲慢で猟奇的なプロパガンダだった。キリスト教を侮辱する悪魔主義を土台にした奇怪な開会式に、世界中から非難が沸騰した。
激しい非難にIOCも開会式の録画を削除した。テュルキエなど一部の国々ではテレビ放送局は開会式の生中継を中断したという。だが、マクロン大統領をはじめ、西欧統治権力を掌握したエリートたちは意に介さない。今回の開会式を企画、承認、支援、監督したマクロン政権とIOCは、世界の人々を被支配層、馬鹿として扱っている。
IOCや主催側は、オリンピックをスポーツではなく政治に徹底利用した。6月にカザンで開催された「BRICS競技大会」とあまりにも対照的だ。IOCは、ロシアとベラルーシ選手たちの国家代表資格を拒否した。一方、国連総会と安保理でジェノサイドと批判され、国際司法裁判所や国際刑事裁判所に提訴されたイスラエルは何の制裁もなく参加した。フランスは、ロシアにはオリンピック期間中休戦を提案し、ゼレンスキー側には武器を支援し続け、フランス軍まで派兵している。
オリンピック主催側は、開会式に入場する韓国選手団を北韓選手団と放送した。フランス側は、韓国に公式謝罪すらしなかった。フランスは韓国産武器や原子力発電所などが欧州に進出するのを牽制、特にマクロン大統領が先頭で妨害した。
このようなフランスがアフリカから追い出されたのも当然だ。問題は西欧文化・西欧精神自体が深く病んでいることだ。ジェンダー差別撤廃などを叫ぶ過激な少数が、手段方法を選ばず多数を支配しようとする内戦中の米国はさらに深刻だ。LGBT、キャンセルカルチャー、批判的人種理論などで武装した破壊勢力が伝統価値を破壊している。
ウクライナ戦争の深淵にも、腐敗・堕落した西欧が、西欧の支配を拒否する国々を制圧、抹殺しようとするグローバル帝国主義が潜んでいる。彼らは自らの議題を貫くため手段方法を選ばない。常識など黙殺する。
大統領選挙を3カ月後に控えた米国では最有力大統領候補への暗殺の試みに続き、再選に挑戦した現職のバイデン大統領を引き下ろした宮廷クーデターが発生した。民主党の実力者がバイデンを、修正憲法25条で脅迫し候補を辞退させた。
だが、バイデンの代わりに民主党大統領候補に擁立された、極左のカマラ・ハリス副大統領は、今まで党内で大統領候補として1票の支持も受けたことがない。世界中が見ている前で、何の民主的・合法的手続きもなくクーデターで権力を掌握した者らは、人間ではなく神のように振舞っている。トランプ大統領暗殺の試みもFBIなどが真相を糾明すると誰も期待しない。
極左のカマラ・ハリスが次期大統領になれば、米国は混乱と破壊に陥る。自国の国境と選挙システムすら管理できない米国が強要する「規則基盤秩序」のため、混乱と破壊が世界に拡散するしかない。
ドイツが米国の了解の下、再武装を始める。西欧の権力エリートらは、ロシアとの永遠の戦争を誓っている。再武装するドイツは果たしてどんなアイデンティティーを持つのか。西欧の標的となった国々は、自救・自衛措置を講じざるを得ない。ユーラシアを束ねるSCOがNATOに対応するのは当然だ。
戦争を望む乱暴な神々を無力化せねばならない。病んだ西欧に追従するのではなく、激動の時代を乗り越える新しい指導者を生み出さねばならない。