韓国水力原子力、大宇建設、斗山エナビリティなどからなる「チームコリアコンソーシアム」が17日、チェコの原発建設事業の優先交渉権を獲得した。事実上の受注である。韓国にとっては、2009年のアラブ首長国連邦(UAE)での原発計4基受注以来の大規模事業だが、事業費24兆ウォン以上と、当時を上回っている▼文在寅政権下では「脱原発」政策で、韓国の原発産業は大きく後退した。韓国は世界有数の技術を有していたが、成長の機会を失い、研究者・開発者は活躍の場をなくした。だが尹錫悦政権発足後、原発推進へと再び舵を切り、30年までに世界10カ所の原発建設を受注するという方針を打ち出した▼現在、世界の多くの国は原発推進の方向に向かっている。懸念すべきは、韓国の場合、政権交代があれば再び脱原発に回帰する可能性が大きいことだ。事実、前回の大統領選挙では、尹錫悦・李在明両候補の原発政策は、推進と抑止で真逆だった▼脱原発は、輸出産業の大きな柱を失うだけにとどまらない。国内のエネルギー供給も大きく左右される。文政権は太陽光発電の普及を推進したが、電力産業インフラ基金の補助金300億ウォン以上が、違法・不当に支出されたといわれる▼官民一体となって産業を育成していくことが韓国の強みだ。今後、AIや半導体、EVバッテリーなどの分野でより一層、連携が求められるだろう。国民も長期的な視野にたって、国としてどういう道を選択すべきか。進むべき道を誤らぬよう、慎重に考える必要がある。