離任することが決まった尹徳敏駐日韓国特命全権大使の民団主催による歓送会が12日、民団と傘下団体の関係者ら100人が参加し、都内で開かれた。戦後最悪の韓日関係といわれた文在寅政権時代から尹錫悦政権に交代し、2022年7月の着任以来、日本国内で関係改善の地ならしをした尹大使の功績を称えるとともに、離任を惜しむ声が聞かれた。
民団中央の金利中団長は、尹大使の韓日関係改善の功績を評価するとともに、「尹大使がいなければ、正常な在日社会はなかったのではないか」とはなむけの言葉を贈った。
尹大使は「1日も早く韓日関係を一番いい時期に戻すことを使命として赴任した。当時大使館は孤立し、日本とのネットワークがなくなっており、士気も下がっていた。しかし韓日首脳会談などもあり、関係改善に向かった。今後、民団が団結し、力になってくれるとありがたいと思っている」とあいさつした。
参加者からも尹大使を称える声が寄せられた。妻家房の呉永錫社長は「韓日関係悪化とコロナ禍で、経営が厳しい時期があった。しかし尹大使が着任し韓日関係改善が進むとともに、コロナ禍が収まったこともあり、事業も持ち直した」と振り返った。同社が埼玉県日高市の農家とキムチ用の韓国白菜を契約栽培していることについて「尹大使から『地元とよい関係を築いて、質の高い商品を生産してほしい』と激励された」と感激の面持ちで語った。
婦人会中央の劉代永会長は尹大使に花束を贈呈し「『2年間お疲れさまでした。感謝します。帰国後もますますのご活躍を祈っております』と声をかけさせてもらった」と語った。
在日韓商の金芳秀・直前会長は、尹大使と数回食事を共にする機会を持ち、「韓日ビジネス振興について語り合い、進めることができた」と感慨深げに振り返っていた。
尹徳敏大使(右)に花束を贈呈した婦人会中央の劉代永会長