「第1回北韓離脱住民の日記念式」が14日、統一部主催で青瓦台の迎賓館で行われた。尹錫悦大統領はこの日、北韓離脱住民支援に貢献した金聖〓自由北韓放送代表などに勲・褒章と表彰を直接授与し激励した。
一方、東亜日報は17日、脱北外交官出身の「国民の力」太永浩前議員が、大統領直属の民主平和統一諮問会議(民主平統)の事務処長に内定されたと報道した。東亜日報によれば、太前議員は最近、大統領室から民主平統事務処長の人事検証を経て人選発表を待っているという。
政府高位筋は「尹錫悦大統領の裁可だけが残っている状況」とし「第1回北韓離脱住民の日の制定と大統領が記念辞で明らかにした脱北民に対する包容政策などの意味を考慮して下した人事」と評価した。別の高位筋も「脱北民が韓国に来て次官級に任命されるのは初めて」とし「脱北を試みる高位層に韓国行を決心する確実な誘引策となる」と言った。
太前議員は、駐英北韓大使館の公使として勤め2016年、韓国に亡命した。21代国会議員選挙でソウル江南甲に出馬して当選したが、今年の4月の総選挙ではソウル九老乙に出馬して落選した。太前議員は当初、大使職や入閣の可能性も考慮されたが、身辺安全や任命職としての象徴性などを総合的に検討、次官級の民主平統事務処長として起用されることになったという。
民主平統は、政府の統一政策を樹立し推進する憲法機関で、大統領の諮問機関だ。国内228カ国、海外45カ所の地域協議会を基盤に統一政策はもちろん、地域共同体の意思決定に政治的影響力を行使する組織だ。民主平統事務処長は石東炫処長が辞任後 6カ月間空席だった。
一方、北側の国境封鎖で脱北者が減る中でも、海外駐在外交官など脱北は増加しているという。昨年から今年まで韓国に来た高位級の脱北民が20人前後に達するという。政府筋によると、昨年1年間に10人ほどの高位級の脱北民が入国したが、今年は上半期にはすでに同じくらいの高位級脱北民が入国したという。特に、今年は外交官より貿易関係者など駐在官の比率が高いという。
昨年11月には、駐キューバ北韓大使館の李イルギュ惨事が家族と一緒に国内に入国したことが確認された。キューバに2回赴任した「南米通」の李参事官は、平壌の外務省本部と葛藤して脱北したと伝えられた。また昨年末、フランスに勤務していた北韓外交官家族も脱北したことが分かった。政府は海外の北韓エリート層の「脱北ラッシュ」が今年本格化していると見ている。
金正恩は最近、南北関係を同じ民族ではなく交戦中の敵対関係と宣言、韓国文化を不法化し極端な処罰法を相次いで作り「韓流と死闘」を展開しているが、脱北入国者たちによれば、いくら厳しく統制し処罰しても韓流は少しも衰えていないという。金正恩の「統一不可」の宣言は結局、韓流を防ぐための最後の手段なのだ。