韓国の巨大野党が国会を利用した憲政転覆の政変を起こした。李在明党が2日、李在明が連累したサンバンウルグループの対北送金疑惑と大庄洞・柏峴洞開発不正事件を捜査してきた検事4人に対する弾劾訴追案を発議した。弾劾案は直ちに国会本会議に報告され、法制司法委員会に回付された。
これは李在明党が昨年9月、国会で憲政史上初の現職検事弾劾訴追案を通過させてから7人目の「検事弾劾」推進だ。国会が立法権を乱用して捜査と裁判を覆しているのだ。米国でトランプ前大統領に対する起訴と政治裁判が、政治的に偏向された検事と判事によって行われるのに比べ、立法権で憲法装置をすべて覆す李在明党の暴走は内乱・反乱水準だ。
李在明党(共に民主党)は2日、国会本会議で「国民の力」議員が欠席の中、姜白信水原地検城南支庁次長検事、金泳喆ソウル北部地検次長検事、朴庠勇水原地検副部長検事、嚴熙竣富川支庁長に対する弾劾訴追案の法司委回付同意案件を処理した。姜次長検事と嚴支庁長は大庄洞・柏峴洞疑惑捜査を担当した。朴副部長検事はサンバンウル対北送金疑惑と関連し昨年9月、李在明を被疑者身分で調査した。全部李在明が関与した疑惑事件だ。金次長検事は大検反腐敗課長在職当時、柏峴洞など李在明捜査を指揮した。
李在明党の現職検事4人に対する弾劾訴追案を党決議として発議、国会本会議に報告するまでかかった時間はわずか2時間だった。李在明党が「腐敗検事、政治検事を断罪する」と主張するや、与党(国民の力)は「弾劾中毒末期」と批判し、大統領室は「捜査権を民主党に渡せというもの」と非難した。李沅ソク検察総長は「被告人の李代表が裁判長を務め、李代表の弁護人である民主党国会議員と国会絶対多数党の民主党が司法部の役割を奪って裁判を直接やり直すということ」と非難した。
尹大統領の弾劾への手がかりとなる「殉職海兵捜査妨害および事件隠蔽などの真相究明のための特別検事任命などに関する法律案」(蔡上兵特検法)が李在明党によって国会本会議を通過した。国会議長が4日、フィリバスターを議長職権で中断させ、表決に回付したためだ。これに与党が反発、大統領が参加する22代国会の正式開院式は無期延期となった。与党(国民の力)は李在明党の暴走に無策だ。特に全党大会を控えて、尹大統領と韓東勳前法務長官の葛藤が回復不能の状態になった。
韓国政治は先が見えない。金正恩の汚物風船にも対応しない。汚物風船は、金正恩の恐怖の現れだ。金正恩は反人道・反民族3法(2020年の反動思想文化排撃法、21年の青年教養保障法、22年の平壌文化語保護法)で核爆弾より怖い「韓流」遮断に必死だ。
内乱を許したのは不正選挙を黙殺した尹大統領自身であり、国民の不正選挙闘争などを黙殺し大統領の機嫌ばかりを窺った検察自身だ。不義と闘わない社会は衰亡する。