西欧諸国が徴兵制を準備している。世界大戦の足音が近づいている。しかし西欧の現実は、総力戦ができない。結局、西欧は核戦争に訴えるしかない。非核国家の韓国がなぜNATO側で核戦争に巻き込まれようとするのか。
国内外で「韓国は露北同盟に怒れ」という世論操作が行われている。韓国がロシアに対する報復でウクライナを積極支援すべきということだ。
だが、韓国は露北同盟に憤怒すべきでない。盲目的な怒りは何の役にも立たず、自滅を呼ぶだけだ。韓国人は怒るのではなく、冷静に自問せねばならない時だ。望ましくない状況・事態を収拾するには、怒りと偏見、我執を捨てねばならない。一体なぜ、露北同盟を阻止しようと最小限の努力もしなかったのか、なぜこの事態を招いたのか。
露北同盟は、米国と韓国が自ら招いたものだ。少なからぬ専門家たちは、ウクライナ戦争勃発当初から、ロシアと敵対しないように繰り返し強調した。韓国がNATO側に立ってウクライナに戦争物資を支援するのは、韓米相互条約に何の根拠もない。それだけでなく、憲法違反、国連憲章違反だ。韓国がウクライナ支援に出る理由などない。平壌側がロシアに武器を提供すれば、対南攻撃能力はその分減るだけだ。
米国の次期政権は、国際秩序の激変に積極的に対応するはずだ。米国はおそらく、韓半島での終戦宣言を推進する。金正恩の「韓半島の2国家主張」は、米国の6・25戦争終戦宣言の推進を容易にし得る。平壌側がこのような状況を想定して、先制的に「一つの民族を否定、二国家を宣言」したのなら、私たちの至らぬ態勢、未熟さを責めねばならない。
韓国人は、自主独立の国民国家建設に向け、朝鮮朝時代は自ら選択した中華事大主義からの独立が、その後は天皇制帝国主義の日本からの独立が課題だった。そして今は、個人・人間の尊厳と主権国家を否定するグローバル全体主義勢力からの解放が課題となる。グローバルサウスも同じだ。そのためには、韓国人に望ましくない状況を強いる主体が何なのか、誰なのかを明確に自覚せねばならない。
NATOは、韓国をロシアとの戦争に引き入れようと目論んでいる。NATOがロシアと戦争したいのなら、彼らの資源を動員すべきだ。ところが、西欧は卑怯にも、彼らの血を流さず代理軍(ウクライナ)の血をもってロシアと戦っている。ウクライナを消耗品として使っている。そして今、ウクライナが完全に消耗するや韓国を引き込もうとする。
尹錫悦政権は大韓民国の資源を反ロシア側に注ごうとしている。尹政権は「同盟の義理」を掲げ、米国のために大韓民国の安全と利益を犠牲にしている。頭が悪いのは我慢できても、外国のために大韓民国を犠牲にするのは許せない。
ロシアの戦争目標は、ロシアを破壊しようとする勢力を最終的に阻止・破壊することだ。ロシアはこの目標を変えることができない。韓国がウクライナ(NATO)に武器を支援しても西欧はもはやロシアに勝てない。西欧の武器庫は空だ。米国は自国を守る武器も足りない。米国の軍事力には問題が多い。第2次世界大戦で戦艦の時代が終わったように、極超音速ミサイルの大量普及で巨大な標的となった空母の時代は終わった。アングロサクソンが作った「人工国家」のイスラエルも、アングロサクソン時代の終言とともに終わる。
西欧が「規則基盤秩序」を強要するが、彼らの「規則」の定義、規則の基準は何か。韓国は自問せねばならない。韓米同盟が強力なのか、露北同盟がもっと強力なのか、強さの源は何か。
韓国は今、グローバル全体主義から独立するためにも自主的に核抑止力の保有を決断せねばならない。