6月27日の米国大統領候補討論会は、大衆に隠してきた米国の政治リーダーシップの堕落と米国システムの故障を露わにした。韓国にとっては、米国との同盟関係の有効さと信頼性に深刻な疑問を投げかけるものとなった。韓半島の将来が韓米同盟や露北同盟(そして北中同盟)の対峙・対決によって影響されることを考える時、韓米同盟と露北同盟がどう管理されるのかは決定的に重要な問題だ。
CNN主催で生中継されたトランプとバイデンの討論は、米国を統治してきたのが影政府(DS)だったことが明らかになり、米大統領選挙の結果が新しい国際秩序を生むことになるのを明確にした。討論会のバイデンの様子を見ると、認知能力に疑問を持たざるを得ないほどだったが、そういった彼にさらに大統領職4年を任せると主張する米国民たちがいることに愕然とする。
パニックに陥った民主党からバイデン交代の主張が噴出しているが、今後の状況を予測するのは難しい。
トランプは米国の世界戦略、米国が世界警察の役割を続けるべきかどうかで民主党と決定的な差を見せた。韓国としては半世紀前のニクソンショックを覚悟せねばならない。
トランプの当選、あるいは民主党側が勝っても、米国は平壌側との「終戦宣言」交渉に着手することを予想せねばならない。これは東アジアに展開した米軍の役割と規模に直接的な影響を与える。
次期米大統領が誰になるかによって、ウクライナ戦争の行方も大きく変わる。トランプ側は、直ちに終戦を追求するという。また、世界警察の役割を強調する民主党や西欧(NATO、EU)の統治エリートたちは、彼らの世界観、歴史観を変える考えがまだ全くないようだ。
先週の26日、第14代NATO事務総長に選出(10月1日から任期開始)された元オランダ首相のマルク・リューターや、EU外交委員長に決まったカヤ・カラス(エストニア首相)も、ロシアとの全面戦争を主張している。NATO諸国は徴兵制の検討、準備を始めた。
西欧中心の国際秩序の再編はすでに避けられない。
NATOとEU加盟諸国で、グローバル全体主義に従う政治家たちと国民の対立が高まっている。ウクライナ戦争のため経済が疲弊した西欧各国の有権者たちはこれ以上耐えられない。G7などウクライナ戦争を支援する先進諸国の指導者たちの支持率は低迷している。フランスの総選挙でウクライナ戦争支援を主張したマクロン大統領は大敗した。
すでに国家主権を喪失した西欧各国は、ブリュッセルの指示に従い対ロシア戦を準備するが、軍事費と経済的犠牲に国民がどれだけ耐えるか疑問だ。この状況で、ハリコフの防御兵力も足りないウクライナがポーランドと共にベラルーシを攻撃しようとしているが、NATOの直接参戦を誘うためだ。しかし、これはロシアのキーウ占領を呼ぶ。
NATOは今、総力戦などできないのが現実だ。ヨーロッパ最強レベルの軍事力を持つテュルキエは、西欧と決別を決心した。テュルキエはBRICSに参加するとみられる。
ロシアは世界に、BRICSに入りたければ、西欧主導のロシアに対する制裁に参加するなと要求した。ロシアは、西欧がウクライナに致命的な武器を提供すれば、ロシアも西欧の敵に武器を提供すると警告。
グローバルサウスは反西欧に回った。中東産油国はペトロダラー制度を捨てた。中東情勢が流動的な中、アラブ連盟がヒズボラをテロ団体指定から解除した。韓国政治は、国際秩序の激変に目を瞑っている。