4日、福島県有機農業ネットワーク総会の記念講演で亀田明美・郡山女子大学准教授が「韓国の親環境無償給食の仕組みを視察して」と題して登壇、会場とオンラインで講演を行った。
亀田准教授は今年3月に韓国草の根塾(田中博代表)が主催した韓国のオーガニック給食を学ぶフィールドワークと、5月に谷口吉光・秋田県立大学教授が企画した京畿道華城市の親環境給食を学ぶ調査研究に参加した感想を報告。
韓国で子どもたちにオーガニック給食が無償で提供され、日本と異なる水準の”食育”が行われている点に感じるものが多かったとしている。
亀田准教授は、「福島の話をすると、現在は喜多方市に含まれる熱塩加納村で、30年ほど前から韓国の親環境に匹敵する地域ぐるみの給食への取り組みが行われている。ただ、組織的に野菜を循環させる仕組みの構築には至っておらず、栄養士や農家などの関係者の努力で成り立っている状態」とし、見学してきた華城市フード統合支援センターの制度で参考にすべき点(図を参照)について、自身の経験を交え報告した。
農家の所得増進と地域経済の活性化をスローガンとし、栄養士も高い雇用条件を満たす韓国の給食制度を「生で見てきた」衝撃が大きかったと、亀田准教授は講演を通じて語った。
また「韓国の給食制度で環境に準じて献立を考えるのに比べると、日本は献立が先で食材の調達が後とされている。まずはそのような点の見直しから始め、地産地消の取り組みが広まっていけば」と期待を述べた。
亀田准教授の発表レジュメにまとめられた韓国の新環境給食制度のしくみ