編集余話

日付: 2024年06月18日 11時58分

 サイダー。京畿道知事時代の李在明氏の異名だ。刺激的で胸のすくような物言いが持ち味だったことからそう呼ばれた▼現在は野党第一党の党首となった同氏だが、知事時代には若者に一律の支援金を支給するなどの政策を実現。コロナ禍では、政府とは別に道民への給付金を支給するなどして支持率を高め、大統領選に打って出た▼大統領選では、国民に一律、一定額を支出するベーシックインカムの導入を掲げ、格差是正を公約とした。その政策実行力は誰もが認めるところだろうが、典型的なポピュリズム政策との批判も浴びた▼一方、李氏は地元の再開発に絡む不正、プロサッカーチームに対する違法後援金、偽証教唆、公職選挙法違反などで起訴されている。そのうち再開発事業とサッカーチームの各事件は併合され、公判が進んでいる▼疑惑の追及は続く。韓国検察当局は12日、「サンバンウル対北韓違法送金」事件における第三者供賄罪などで、李氏を起訴した。李氏は11件の起訴事実を巡って法廷で争うことになった▼李氏の周辺もあわただしい。秘書室長ら側近5人が、これまでに自殺などで死亡している。以前、ワシントン・タイムズの記者がこの件にからめ「李在明という人物を危険人物と見るべきか」と質問した際、李氏は一笑に付した▼李氏は、次期大統領の最有力候補である。抱える同氏が悠然と構え、ここまでの権力を握っているのは、国民の支持があるからだ。疑惑の段階とはいえ、韓国人の不正に対する問題意識は低いようだ。


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