疑惑のインド「単独外交」

文前大統領夫人の血税浪費問題
日付: 2024年06月11日 11時05分

 43万ウォン(約4万9000円)。韓日間の人気路線、仁川~成田間の往復航空運賃ではない。前大統領夫人の海外訪問時に1食分の機内食代として支出された金額だ。
話題の中心となっているのは、文在寅前大統領の夫人、金正淑氏だ。金氏は2018年11月4日から7日までの4日間、インド訪問時に「大統領専用機」を使用し、機内食だけで6292万ウォンを計上した。その際の機内食代を試算すると、1食当たり43万7000ウォンという金額になる。
「国民の力」の裵賢鎭、朴洙瑩議員らによって公開された、当時の文化体育観光部の「公務国外出張計画書」及び文体部と大韓航空が締結した随意契約書は、常識的な範囲を超えた過剰支出であると言わざるを得ない。
当時のインド訪問について文在寅前大統領は、最近刊行した回顧録の中で「ファーストレディとして初の単独外交」と評価したが、金氏の訪問資格は政府代表団の特別随行員に過ぎなかった。訪問団長は当時の文化体育部の都鍾煥長官であり、政府公式の随行員は申鳳吉駐インド大使だった。
イレギュラーな形で随行した者に「単独外交」ができるのか、その真相を見極める必要がある。国民の力は、税金を利用した「セレブ外遊」とみなし(1)文在寅政権の青瓦台がインド側に金正淑氏の招待を要請したセルフ招待疑惑(2)既存予算の15倍を超える予算の策定(3)1食あたり43万ウォンという機内食代などを問題視している。
国民の力の尹相現議員はこの問題について徹底的な調査を要求し、外遊性外交に対する特別検察導入法案、いわゆる「金正淑特検法」を発議した。
尹議員は「国民の血税で観光をするためにセルフ招待を行った。大統領専用機を飛ばし、高額な機内食代を浪費したという文書も確認している。これが事実であれば、明らかな国政妨害にあたる」と述べた。
共に民主党はこれに対し、尹錫悦大統領夫人である「金建希特検法」を発議し「政治攻勢だ」と反論した。文前大統領は5日、自身のSNSに「予算編成と執行は文化体育観光部が担当した。機内食の費用についても管轄の部署や大韓航空側に尋ねるべきである」と主張した。
(ソウル=李民晧)

 

2018年11月、インドのタージマハルを見学した文在寅前大統領の夫人、金正淑氏
(中央)


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