日韓親善協会中央会が総会

良好な韓日関係を再確認
日付: 2024年06月04日 12時29分

 日韓親善協会中央会は5月29日、都内で会員や民団関係者らが参加し、2024年度年次総会を開いた。来年は韓日国交正常化60年の節目となることで、尹錫悦政権誕生以来、良好な韓日関係のより一層の活性化が期待される。昨年は「21世紀韓日パートナーシップ共同宣言」から25周年を迎えたが、着実に進展する両国関係を背景に、新たなパートナーシップ宣言制定の気運も盛り上がっている。

民団団長ら新役員

 総会では23年度事業報告、同収支決算及び監査報告、24年度事業計画案、同予算案と、役員改選の全議案を承認した。新役員に就任したのは、名誉顧問・金利中(民団中央団長)、副会長・趙龍済(民団中央副団長)、常任理事・李相哲(民団中央生活局長)、監事・張仙鶴(民団中央監察委員)ら4氏ほか4人の合計8人。
総会終了後の懇親会には90人が出席した。河村建夫会長は「尹錫悦大統領就任後、日韓関係は飛躍的に改善された。これまでに尹大統領と岸田文雄首相は10回会っているという。両首脳の支持率が低迷して不安はあるが、両国関係を揺るぎないものにしたい。当協会はその役割のために尽力する」とあいさつした。
来賓の韓日親善協会中央会の金泰煥会長は「韓日親善のため最善を尽くしたい。両国は安全保障と経済分野でさまざまに協力している。来年は国交正常化60周年を迎えるが、両国の協力枠組みを制度化するきっかけになることを心から望んでいる」と祈願した。

関係強化への期待

 尹徳敏駐日特命大使は「2年前に着任したとき、韓日関係は戦後最悪といわれていた」と振り返り、「2年間で想像することもできないぐらい関係は進展した。特に両国が互いの市場としての有望性に気付き、経済交流が進むことに期待している。来年の国交正常化60周年に向けて、後退することのない関係を構築するために力を合わせたい」と述べた。
民団中央の金利中団長は「全国津々浦々、草の根レベルでの韓日親善に取り組んでいく」と誓った。
昨年以降、尹大統領と岸田首相の間で複数回にわたるシャトル外交が展開され、韓日関係が改善に向かっている今こそ、1998年に当時の金大中大統領と小渕恵三首相の間で結ばれた「21世紀韓日パートナーシップ共同宣言」を改めるべきだという声が、韓日両国の関係者から上がっている。
これに対し河村会長は本紙1月1日号でのインタビューで基本的には賛意を示しながらも、「当時と今とでは両国間の関係は異なる」と、90年代末から2000年代初頭までの国際通貨基金(IMF)の支援を受けて再建途上にあった韓国経済の状況を挙げるとともに、現在はITやコンテンツ産業が育ち、BTSをはじめとしたK―POPが世界を席巻するようになったことで、「経済面を見ても世界のトップ10に入るほどの国となった」と当時との状況の変化に言及している。

全面的見直し提案

 そのうえで、宣言の項目が約50にも及び、広範囲に網羅されていることから、「政治・文化、人材交流などさまざまな分野をカバーしているが、それらをなぞるのではなく、現状に合わせて付け加えるものは付け加え、削除するものは削除する」と時代に合わせた全面的見直しを提案し、「21世紀の新しい日韓関係をつくるためのものへと内容を整理しなければいけないと思う。日韓関係を次のステージに上げるための宣言としなければならない」と、持論を述べている。

「普遍的」な必要性

 近年の良好な韓日関係は両国トップの決断で改善されたことを踏まえれば、政権交代で一気に悪化する恐れもある。新パートナーシップ宣言は政権に左右されず、両国関係を安定的で良好に保つための一助となる、普遍的なものであるべきだろう。

 


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