韓国、「南北間軍事合意」の効力停止

北、核戦争脅威とグレーゾーン挑発
日付: 2024年06月04日 11時43分

 核戦力を手にした金正恩の対南挑発がさらに攻撃的になっている。韓国に向けた核ミサイル飽和攻撃を露骨に脅かしている北側は、先週から南に向かって風船で大量の汚物を送り、西海地域で韓国のGPSを攪乱するなど卑劣な非軍事のグレーゾーン挑発をし、韓半島の緊張が急速に高まりつつある。北側の挑発は、尹錫悦政権の極度の国政乱脈や韓国社会の消耗的葛藤と政争が招いたものだ。休戦後の最大の安保危機の現実を韓国国民に知らしめる効果はある。

 

 北側の対南核攻撃の脅威に対する韓国の現実的な抑止力確保をめぐり、尹錫悦政権が断固たる対応を出せないなか、平壌側が対南擾乱を強化している。北側は自らの体制危機を免れるため、韓国社会の分裂と不信、混乱と疲労感を増長することにすべてを集中している。
韓国と国際社会は「北韓の非核化」で明らかに失敗した。にもかかわらず、先週(ワシントン時間31日)も、韓米日の外交次官が協議会を開催、「懸案」を協議、「韓半島の非核化」公約を再確認する、非現実的かつ空虚な会合を持った。3人は地域やグローバル協力、経済・技術パートナーシップ、韓米日協力発展案など韓米日協力の全分野を網羅する議題を話したという。
外交当局の発表によると、韓米日の外交次官たちが韓半島の非核化の公約と北韓問題に対する3国間の共助の基調を再確認、さらに3国の協力・調律メカニズムを設けることに合意したという。しかし、すでに元に戻せない平壌側の核武装の現実を無視し、韓国を束縛するための「韓半島の非核化」という目標を強調するのは、「韓米日」が自らを自害、北側を有利にする欺瞞的行為だ。さらに、米国の朝野で韓国の防衛は韓国自らの責任で行えという主張(要求)が公に提起されているのが現実だ。
北側は韓国に対するミサイル飽和攻撃訓練と同時に非軍事の灰色地帯の挑発を並行している。先週から大量の汚物を風船で南に送り、西海地域では南に向けGPS攪乱に出た。これまでもしばしばあったGPSの妨害は、漁船や航空機、軍用装備に大きな影響を与えている。風船にぶら下げて送る汚物は韓国全域に落ち、仁川国際空港にも落ちて航空機運航に支障を与えた。
大統領室は、北側の前例のない対南「グレーゾーン」挑発に対する対策を緊急協議、国家安全保障会議を開き(3日)、強硬な対応方針を発表した。政府は北側の汚物風船散布に対応し、対北拡声器放送を数日以内に再開することにしたという。国家安保室は3日、南北間の相互信頼が回復するまで「9・19軍事合意」全体の効力を停止する案件を4日、国務会議に想定することに決めたと発表した。
北側の汚物風船散布に対応するために、対北拡声器を再設置する作業が直ちに始まるという。この措置のため、文在寅が行った「9・19南北軍事分野合意」(2018年)の効力を停止することにした。軍関係者は「北側の低強度挑発に対し拡声器放送の再開をもって対応するのは早いという意見もある」というが、北側は同合意を昨年11月に破棄した。
政府は北側が耐え難い措置の一環として、従来になかった軍事訓練の概念を新たに導入、新しい韓米訓練を行うなど、対北圧迫のレベルを上げる案まで検討中という。政府が直接対北ビラを散布する案も言われる。一方、軍当局によれば、北側は軍事分界線(MDL)一帯で4月末から大規模の兵力と重装備を動員、休戦線全域で地雷埋設と鉄条網設置など陣地工事を進行中だ。

 

 


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