先月25日、韓国草の根塾オンラインセミナー(田中博代表)を開催、朴光来・国立農業科学院研究員が「ジャンボタニシの農業的活用・管理法」と題して講演した。
ジャンボタニシ(和名:スクミリンゴガイ)は南米に生息する外来種のタニシで、韓国では1983年に食用として輸入されたが、あまり人気は出なかった。田んぼに遺棄されたジャンボタニシが雑草を食べる光景が目撃され、92年からその特性を利用した除草目的での導入が始められる。
ジャンボタニシは雑食かつ食欲旺盛で、空腹を感じると浮袋に空気をため込み、水面まで浮かび上がることができる。雨風を利用しての移動も可能で、繁殖力が非常に高い。
除草剤のような毒性がなく、食用に転じることもできるため、現在も韓国で幅広く用いられているが、雑食性の外来種の例にもれず、生態系を破壊しかねない点は疑いようなく、日本の農林水産省では駆除対象としている。韓国でも環境部が生態系をかく乱する生物として指定する動きがあったものの、農林部と海洋部で管理強化のガイドラインを作成し、現在も利用されている。
朴研究員によると、持続可能という点からいえばジャンボタニシを利用しての除草行為には別の環境問題を誘発しかねない危険性もあるが、現状で代替できる除草方法もないため、韓国での使用が近く見直されることはないとしている。