ロシア軍のハリコフ進撃で苦境に陥ったキーウ側のウクライナ軍の戦線が崩壊している中、ゼレンスキーの憲法上の大統領任期(20日)が終わった。
キーウ側は、次期大統領選挙の計画もない。一方でNATOは、法的に軍統師権のないゼレンスキーにロシア軍を倒すまで戦争を続けろと促し、NATO加盟諸国は、個別にキーウ側と安保協定を結ぶなど戦争持続や拡大を図っている。西欧中心の国際秩序で常識と国際法が無視されている。
NATOとEUの加盟諸国では国内では戦争反対、キーウ側支援反対世論が激しく起きるが、NATOとEU本部(ブリュッセル)を掌握する「グローバル全体主義勢力」を代表する権力集団は、あらゆるメディア検閲など情報統制・操作で加盟国国民の意思を黙殺、彼らのアジェンダを全世界に強要している。
西欧の「グローバル全体主義勢力」は、彼らの世界支配を確固たるものにするため手段方法を選ばない。こうした中、彼らの核心アジェンダであるWHOのパンデミック条約とIHR改正投票(5月27日~6月1日スイス)を控え不穏な空気が広まっている。パンデミック条約とIUR改正は、もともとは十分な検討後に投票することになっており、一部の加盟国が今年の表決延期を主張するが、WHOを掌握する勢力は個別国家の主権を奪う改正を強行しようとする。
日本での大規模パンデミック条約反対デモを契機に、各国で激しい反発が続くや「グローバル全体主義」に反対する動きを暴力的に除去、制圧する動きが出ている。ついに反グローバリズムに対するテロが西欧で起きた。スロバキアの親ロシア派のロバート・ピコ首相が暗殺の標的となり15日、至近距離で銃撃された。ピコ首相は、パンデミック条約を拒否、EUのCBDC反対を宣言、スロバキアの憲法に、すべての国民は現金を使う権利を明記した。
5月中だけでもスロバキア首相への狙撃のほか、グローバルサウス陣営の国々で指導者に対する暗殺脅威ないしクーデターの試み(サウジ、テュルキエ、セルビアなど)をはじめ、西欧による「色革命」の試みが伝えられている。ここにイランのエブラヒム・ライシ大統領が19日、ヘリコプターの墜落で死亡した。事故の原因や真相はいずれ糾明されるだろうが、中東戦争の拡大を望む国家があるため、いつ大戦争へと爆発するか分からない。
問題は数世紀、国際秩序を左右してきた先進諸国がこの混沌を管理できないことだ。大統領選挙まで半年をきった米国では、共和党大統領候補に対する魔女狩りの裁判が行われている。自国での正常な裁判すらできない国が国際秩序を維持できるのか。近年、アフリカ諸国から追い出されたフランスは、今も植民地の南太平洋のニューカレドニアでの独立要求を、一切の通信を封鎖し軍事力で鎮圧し、帝国主義の支配権に執着する姿を全世界に見せている。