ロ・中、世界秩序再編を宣言

ロシア極東地域と豆満江出海口の開放を計画
日付: 2024年05月21日 11時18分

 ロシアと中国が大連合を宣言、世界史的変化が起きている。ロ・中は、西欧が主張する「規則基盤秩序」を拒否、世界秩序再編の推進を宣言。プーチン大統領と習近平主席は共同声明で、植民地主義を排撃し国連憲章に基づく多極化を主張、米国が主導する国際的制裁措置への反対を明確にした。プーチン大統領の訪中とロ中共同声明は事実上の同盟宣言だ。両首脳は一部の国々が追求する冷戦的思考、一方主義、覇権主義、ブロック対決、権力政治を平和と国際安保への脅威と規定。世界史の激変は、韓国に「脱亜入欧」と「脱欧入亜」への熟考と選択を強いる。

 

 プーチン大統領と習近平主席は2012年以降、43回も会った。習主席は昨年3月、国家主席3選確定の10日後にロシアを国賓訪問、プーチン大統領は5回目の大統領就任(7日)9日後中国を訪問した。プーチン大統領の訪中は、米国が広範な中国商品に25~100%の関税を課すと宣言してから48時間も経たない時点で行われた。プーチン大統領は、米国は製造業が強くなった国には抑圧を繰り返してきたと語った。
ロ・中共同声明には、国境問題と北東アジアに関する非常に重要な内容が含まれた。まず、両国は国境紛争があったアムール江の黒瞎子島(中国名)の流域一帯の自由航海を互いに保障、観光地として共同開発することにした。ロシアは、帝政ロシアによって海に接近できなくなった中国に経済的、戦略的お土産を与えた。ウラジオストクを中国に開放。北極海航路に中国の参加も積極的に勧めている。プーチン氏の訪中目的の中で最も重要なものは、共同声明に明記された豆満江を利用しての出海口開放計画。ロ・中は、北韓と対話を通じて豆満江の出海口を開発する目標を提示。これは北東アジアの軍事戦略にも大きな影響を与える。
ロ・中は共同声明で「北東アジアの勢力均衡を変えようとする米国の覇権的な試みに反対」「北韓への米国と同盟国の軍事的脅威に反対する」と表明した。
共同声明は「米国とNATO戦略がアジア・太平洋地域に及ぼす否定的な影響」について言及、「南シナ海の安定に対する域外勢力の干渉に反対する」と述べた。両国は共同声明でウクライナ紛争の外交的、平和的解決を促し、外国の資産と財産を押収する行動を批判した。両国は国防分野の協力を発展させていくと宣言した。NATOのアジア太平洋地域への影響力拡大に対応する姿勢だ。プーチン大統領は、ロ・中関係は国際舞台を安定させる主な要因と述べた。また、両国が正義の原則と多極現実を反映する、民主的で国際法に基づいた世界秩序を共に守護すると述べた。
習近平は、ロ・中関係において五つの原則を固守したと述べた。①両国の核心利益問題に対する互いの確固たる支持➁共生協力の新しい構造の形成➂友情を次の世代に伝えること④国連中心の体制と国際法に基づく世界秩序の守護⑤モスクワと北京は、真実と正義のため紛争地域の政治的解決を促進するだ。プーチン大統領は、今日の世界には依然として一方的な覇権とブロックの対決、権力政治が蔓延して世界平和を脅かしていると述べた。
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外交部長は、モスクワと西欧は、すでに終わりの見えない対決状態だとし、ロシアは西欧諸国を少なくとも一世代間はパートナーと見ないと予測した。西欧は「ロ・中同盟」との総力戦を戦える態勢はできているのだろうか。

 

 


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